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【特集】【今週読まれた記事】高まりすぎた「緩和期待」と現状維持後の見通しが人気

日経平均 <日足> 「株探」多機能チャートより
 株探でその週によく読まれた記事を紹介する【今週読まれた記事】のコーナー、今週は4月23日から29日までの株探へのアクセス状況を元に人気の記事をご紹介します。

 前週の4連騰で日経平均株価は1万7500円台を回復、為替は1ドル=111円台と再び円安方向に進み、今週の株式市場は明るい雰囲気で幕を開けました。いよいよ3月期決算発表の集中期が始まり、週末には日銀金融政策決定会合の結果発表、そしてゴールデンウイークに突入と、重要イベントが目白押しのこの週、日経平均は4日続落で終わりました。水曜日までの3日間は週末の金融政策発表を控えての様子見で続落、木曜日は前場に前日比281円高まで上昇しながら、金融政策の現状維持の発表を受け、後場に急落し624円安で終了。この日の前場高値から後場安値までの落差は919円に達し、ドル円は再び1ドル=107円台に突入。東京株式市場は急落の動揺が収まらぬなかで黄金週間を迎えることになりました。

 株探のアクセス状況も、相場動向の影響が強く表れたものとなりました。前週末から週初にかけては、前週の日経平均1万7500円回復を受けた相場見通しの記事が人気を集めました。「帰ってきた外国人買い、総力調査『上昇ベルは鳴ったのか?』」は、4月第2週からの上昇の背景にあった外国人投資家の買い転換について解説。「実需面の新規買いではなく、これまで売り込んだ筋のショートカバー(買い戻し)」との見方を紹介するとともに、マーケットで黒田バズーカへの期待が高まっている様子に触れています。

 市場関係者の見方を聞く「相場観特集」の「好転する市場ムード、“希望”と“死角”」でも、追加緩和期待が高まっていたことが見て取れます。とはいえ、本題はムード好転に対する“死角”の指摘。それぞれ「下方修正リスクや世界経済減速懸念」、「景気回復の継続性に疑問符のつく中国、企業収益が前年比で低下しているにもかかわらず株価が上昇している米国など海外リスク要因」などが解説され、日本市場を尻目に上昇していた海外市場に対しての疑問が述べられています。

 株探連載陣では、植木靖男氏が24日に「日銀の金融政策決定会合や財政政策への期待感は、株価上昇で一段と膨らむ」と、緩和期待で上がる、上がることでさらに期待が募りそれがまた上昇につながるという、株式市場が熱狂に包まれる際のメカニズムが発生していたことを記しています。

 昨夏から下げ局面の到来で鋭い予想を示し続けていた富田隆弥氏は、23日に「5月が2日新甫であること、セル・イン・メイのジンクス、震災後に株価試練を迎える経験則」について述べ、「日銀決定会合が終わる連休前に一旦ポジションを軽くしておくのも一策」と鋭いアドバイスを送っています。

 株探トップ特集では、高まる追加緩和期待を27日に「日銀“異次元ETF買い”で上がる株」で特集。追加緩和の際に有力な手段として予想される「ETF買い増し」について紹介しました。

 そうして迎えた28日、昼休みに日銀は金融政策の現状維持を発表、後場の相場は大荒れとなったのでした。株探ではこれを受け、株探トップ特集で「日銀、動かず――“624円ショック安”市場の見方」、相場観特集で「日銀ショック! 大荒れマーケットを読む」を配信し、大きなアクセスを集めました。「ゼロ回答で追加緩和を次回以降に温存」「伊勢志摩サミット前後にも発表が予定されている1億総活躍社会の実現などを盛り込んだ“名目GDP600兆円に向けた成長戦略”などの経済対策と同時に追加緩和もセットで発表してインパクトを強めようという意図」など、さまざまな意見を紹介しています。

 さて、株価は大型連休を前に大崩れとはなったものの、そもそも連休前や決算発表前はポジションを軽くするトレーダーは少なくありません。あまりにもドラマチックな下落であったために衝撃が大きくなりましたが、前週までの上げを考えれば、当然の調整が一気に進んだと見て取れなくもありません。「日銀、動かず――“624円ショック安”市場の見方」では28日終値は13週移動平均線や25日移動平均線を保っており、急落したとはいえチャートは壊れていないことを指摘。今後の相場はこの水準を保てるかどうかにかかっているとの見方を示しています。

 また、個別株の値動きは、短期的には全体相場の動きに左右されるものの、長期的には企業業績が絶対的な基準となります。今週、最もアクセスを集めた「絶好調の内需株、17年2月期【最高益】銘柄リスト 25社選出 <成長株特集>」で紹介した銘柄の中には、週末の急落で「買い場」が到来しているものが混じっているかもしれません。同じく17年2月期最高益銘柄を特集した「日本株“上昇トレンド”復帰、ターゲット『最高益5銘柄』」も人気を集めました。

 成長株特集では「高成長『始動』候補リスト 32社選出」が先週に引き続きページビューを伸ばしたほか、投資テーマものでは「中村潤一の相場スクランブル 『夢相場始まる、バイオ・AI・フィンテック』」、「伊勢志摩サミットまで1カ月、改めて関連銘柄」、「『爆買い』から『爆体験』へ、インバウンド“大変化”を追う」が人気でした。

 これから決算発表を迎える銘柄では、19日の「発表直前、16年3月期【業績上振れ】期待リスト (東証1部編) <決算特集>」、20日の「発表直前、16年3月期【業績上振れ】期待リスト (新興&2部編) <決算特集>」がページビューを伸ばしました。この中からは、28日までに、実際に上方修正を行った銘柄がいくつか表れました。これを受け、両者を統合して最新の内容に更新した「まだ間に合う、16年3月期【業績上振れ】期待リスト 43社選出 <決算特集>」を29日に公開していますので、是非ご一読ください。

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