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【市況】富田隆弥の【CHART CLUB】 「戻り高値で迎える5月」

株式評論家 富田隆弥

◆熊本の震災被害拡大もあり、18日に日経平均株価は1万6254円まで下げた。だが、欧米株や原油価格の上昇を背景にその後は切り返し、21日現在、1万7381円高値をつける。日足は3月高値1万7291円や一目均衡表の「雲」上限(1万6989円)を上抜くなど戻り歩調を強めている。震災ではライフライン被害など大きな影響は避けられないものの、復興対策や財政出動、消費税引き上げ中止といった政策対応を促す。また、先物で売り建ての目立つ外資系にショートカバーを促しており、そうしたことも株価の押し上げ要因になっている。

◆戻り歩調の日経平均、当面は26週移動平均線(1万7700円処)から2月1日高値1万7905円を目指す可能性がある。4月下旬はFOMC(26~27日)や日銀政策決定会合(27~28日)があることから、売り込みづらい局面でもある。

◆ただし、5月に目を向けると日本は大型連休を迎え、カレンダーは「2日新甫」。そして、世界的には「セル・イン・メイ(5月に売れ)」のジンクスもある。世界を牽引するNYダウは昨年5月の過去最高値(1万8351ドル)に迫り、日経平均は26週線から1万8000円台にかけて戻りの正念場が続く。そして、経験則では震災のあと株価は試練を迎えることが少なくない。

◆年初急落のあと、買い戻しで同時株高を演じてきた相場だが、5月は買い戻しの勢いが一巡しやすい時期と言える。日経平均は日々500円前後で乱高下するなどボラティリティを高めているが、一目均衡表の先行スパン(雲)が日足、週足ともクロスし変化日のタイミングを臭わしている。これらを踏まえると、日銀決定会合が終わる連休前に一旦ポジションを軽くしておくのも一策と思われる。

(4月21日 記、毎週土曜日10時に更新)

情報提供:富田隆弥のチャートクラブ

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