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【市況】富田隆弥の【CHART CLUB】 おカネ枕に「越休」

株式評論家 富田隆弥

日経平均株価は27日終値1万7290円と3日続落(※編集部注:本稿は4月27日執筆)。その前の4日間(19-22日)で1300円も上げ、サイコロなど短期テクニカルが過熱を漂わせたのだから、3日間(25-27日)で280円程度の下げは「ほどよいスピード調整」でもある。日足は25日移動平均線(1万6638円)や一目均衡表の「雲」(1万6697円)の上にあり、2月1日高値1万7905円を目指した戻り歩調にあると言える。ただし、FOMC、日銀決定会合という日米イベントを経て、その後の動向がポイントになるのは言うまでもない。

◆日経平均は、2月12日安値1万4865円→3月14日高値1万7291円の上げ幅が2426円(率にして△16.3%)、それを第一波として今回の第二波は4月8日安値1万5471円→25日高値1万7613円まで2142円(△13.8%)。上値メドのN波「1万7897円」は2月1日高値1万7905円と重なるので、波動面ではもう少し上値ありと言える。

◆だが、4月8日安値から引く下値抵抗線が1万7200円処で、そこに抵触してきた。為替(ドル円)は25日線が110.54円で下値ポイント。日本国債先物(27日151.41円)は75日線151.25円に迫り、そしてNYダウも1万7990ドル近辺で下値抵抗線にタッチ、1万7770ドル近辺に25日線が迫る。各市場とも戻り歩調にあるが、下値抵抗のポイントが近づいていることも否めない。もし、この下値ポイントを割り込むなら、5月は「2日新甫」や「セル・イン・メイ(5月に株を売れ)」のジンクスを意識せねばならない。

◆日本は震災のほか、サミット控えて補正予算など大型の景気対策が想定されている。だが、マーケットはそれを織り込むように上げてきた。期待以上の大胆な対策が出ないと「出尽くし感」や「失望」を招きかねず、その意味で下値ポイントには注視が必要だ。逆に5月上昇で始まったとしても「二波動メド」が意識されるほか、「連休期間に高値をつけやすい」というアノマリー(経験則)も気掛かりだ。ここは無理せず「おカネを枕に越休」も一策だろう。

(4月27日 記、毎週土曜日10時に更新)

情報提供:富田隆弥のチャートクラブ

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