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【特集】日本流「バフェット型投資」のすすめ <GW特集>

シマノ <日足> 「株探」多機能チャートより

―大潮流の把握と本質の見極め―

 日本市場が長期にわたる低迷相場を経験するなか、一人の伝説的投資家に対する関心が高まっている。「オバマの賢人」と呼ばれるウォーレン・バフェット氏(85)が、その人だ。

●バークシャー・ハサウェイ株価数百倍を実現した投資術

 バフェット氏が率いる米投資会社バークシャー・ハサウェイの株価は過去25年で数100倍に跳ね上がった。同氏が長期投資する「コカ・コーラ」や「ウェルズ・ファーゴ」、「アメリカン・エクスプレス」、「IBM」などは「バフェット銘柄」と呼ばれるが、その投資ポイントは「何十年にわたる安定成長が見込めること」「特権的な強みを持つこと」、そして「適正価格よりも大幅に割安な水準で株を買うこと」――などだ。

 バフェット氏は、1990年代後半のITバブル相場に踊らず、2008年のリーマン・ショックによる株価急落時にはゴールドマン・サックスなどに投資し大幅な利益を得ている。「世界で最も尊敬されている投資家」という称号はバフェット氏のためにあり、日本人投資家を含め「バフェット流投資術」に憧れる市場関係者は少なくない。バフェット氏の視点を日本株に活用すれば、連続増配を続ける花王 <4452> や小林製薬 <4967> 、しまむら <8227> のような銘柄は魅力的だろうし、自転車部品の世界的メーカーであるシマノ <7309> なども長期投資の格好の対象となる。

●「30年先」に報いてくれる銘柄を

 ただし、「バフェット流投資のもっとも大事なことは、短期のトレンドに乗るのではなく時代の大きな潮流を見極めること。たとえば30年先に最も投資に報いてくれる企業を探すことが必要だ」と大手証券出身で投資スクールを開催するArgo Navis社長の清水洋介氏は語る。「バフェットの投資術は、その時代や環境に応じて育まれたもの。日本人が、そのままマネをしても無理がある」という。では、日本流バフェット投資の視点とは何か。

「例えば、電子部品セクター。村田製作所 <6981> の電子部品はテレビ、ビデオを支え、いまはパソコン、スマホに使われ、この先はドローンやロボットにも組み込まれる。30年先も投資家に報いてくれるのはこんな企業ではないか」と同氏はみる。また、そーせいグループ <4565> [東証M]のような創薬のバイオベンチャーも、これからの日本の成長を支える企業として有望視している。

「時代の本質を見抜き、自分の頭で考えながら超長期視点での投資を行う」。これが真のバフェット流投資と言えるのだろう。


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