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【特集】【今週読まれた記事】悪材料はバーゲンセール開始の合図、好配当株紹介が大人気

日経平均 <日足> 「株探」多機能チャートより
 株探でその週によく読まれた記事を紹介する【今週読まれた記事】のコーナー、今週は1月14日から20日までの株探へのアクセス状況を元に人気の記事をご紹介します。

 日経平均株価は週初から192円安、281円安と大幅続落し昨年末以来の1万9000円割れ。前週のトランプ氏の記者会見を境に始まった下落が、英国のEU離脱が強硬なものとなる、いわゆる“ハードブレグジット”への懸念により加速した格好です。水曜日からは3日続伸で1万9000円を回復したものの週足では続落。大発会が大幅高となった際の期待感は薄れています。

 しかし、誰もが知っている“悪材料”が再浮上したことによる全体相場の下落局面は、絶好の好機であるかもしれません。先週後半から今週前半の市場を揺さぶった悪材料であるトランプ米大統領と英EU離脱問題は、ともにとうの昔に市場参加者の全員が存在を理解している材料です。市場は両材料をその決定直後に、暴落とその後の上昇という形でいったんは織り込んだはず。しかし、いったん去ったと思われた懸念は、再び浮上して市場を揺さぶりました。こういったケースで思い起こされるのは、近年であればギリシャ金融危機とマーケットへの影響でしょうか。ギリシャ危機の問題は、数年間にわたって、定期的に浮上しては株価を下落させました。しかし、結局のところギリシャ危機が国際金融システムを破壊することはなく、危機への注目が過ぎ去った後のマーケットは上昇に向かいました。同じように、トランプ大統領と英EU離脱問題への不安は、今後も定期的に浮上しては株価を下落させると予想されます。最終的にこの2つの事象が世界を破滅させない限り、不安はやがて過ぎ去り株価は景気動向に応じた変動を見せることになるでしょう。すなわち、景気が上向きで企業業績に伸長が期待できるなら、トランプ大統領や英EU離脱問題への懸念が再浮上して株価が下落した場面は、絶好の買い場の可能性があるということです。

 では今回の1万9000円割れが“買い場”だったのなら、好機を迎えた銘柄群は何だったのか? 「配当利回り“3%超”の『最高益』銘柄リスト 34社選出 <成長株特集>」は今週、株探で最もアクセスを集めた記事。株探においでくださる幾度もの危機を乗り越えてきた歴戦の投資家の皆様は、最高益予想にもかかわらず、全体相場の下落により配当利回りが市場平均を大きく上回る銘柄の紹介を、今週最も注目すべき記事としてお選びくださったもよう。不安に揺れるマーケットはしばしばバーゲンハンティングの会場と化します。最高益と高配当利回りの組み合わせは、こうした局面ではお手本のような“答え”といえるかもしれません。

 高配当利回り銘柄の紹介は、そのほかにも多くの記事がアクセスを集めました。「1月に配当取りを狙える【高利回り】ベスト30 <割安株特集>」は1月26日に権利付き最終日を迎える銘柄を紹介。「【高配当利回り株】ベスト50 <割安株特集> (1月13日現在)」は東証1部、「【高配当利回り銘柄】ベスト30 <割安株特集> 1月18日版」はREITを除く東証上場全銘柄を対象にしています。配当利回り3.5%超以上で、なおかつ上昇トレンドを継続中の記事をピックアップした「高配当利回り【上昇トレンド】堅持、28社選出 <テクニカル特集> 1月13日版」もランキング入り。配当にスポットを当てた記事がこれほど多くアクセスランキング上位に並んだのは初めてかもしれません。

 18日に配信し、大人気だったのは「地合い悪ネジ伏せる“昇り竜”12銘柄、低PBRが急騰を呼ぶ <株探トップ特集>」。記事では「押し目があれば買いの好機到来と強く構える場面」と宣言、軟調相場で上値を突き進む低PBR銘柄を紹介し、多くの方に読まれました。また、前週から今週初めの中小型株優位の相場展開の中で配信した「資金シフトが進む“中小型株”、低PERの【最高益】銘柄リスト <成長株特集>」、「資金シフトが進む“中小型株”、高ROEの【最高益】銘柄リスト <成長株特集>」がともに大きなアクセスを集めたほか、人気の“少額投資”シリーズでは、「3万円以下で買える、増収・増益『お宝候補』40社選出 <割安株特集>」、「3万円以下で買える、低PBR・高配当『お宝候補』33社選出 <割安株特集>」がランクインしました。

 投資テーマを扱った記事も、久しぶりに数多くランキング入りしました。その中で1番の人気だったのは「底打ちから上昇へ、2017年は『インバウンド関連』大復活の年か <株探トップ特集>」。2015年に大きな上昇を見せたインバウンド関連銘柄の多くは、2016年にはその多くが長い調整となりました。一方で、訪日客の増加はいまも続いており、インバウンド関連株が息を吹き返すタイミングがいずれ訪れると考えられます。記事ではその可能性を追っています。

 投資テーマを扱った記事ではそのほか、「<話題の焦点>=有機EL新局面で需要増へ、日本メーカーの逆襲なるか」、「2017年“仮想通貨法”施行、『フィンテック』関連株は本格飛翔へ <株探トップ特集>」、「時代の要請、サイバー攻撃対応“9兆円市場”の『精鋭株』 <株探トップ特集>」、「AI相場“中核”、NVIDIA関連の『神通力』 <うわさの株チャンネル>」がよく読まれました。

 個別銘柄の記事ではラオックス <8202> [東証2]の19日の突飛高を伝えた「ラオックスが大幅続伸、『SMAPの元マネジャーがラオックス系新会社の代表に』」が、芸能的な興味も手伝ってかSNSやニュースサイト経由のアクセスを集めていました。

 さて冒頭で、誰もが知っている悪材料が再び浮上して株価が下落した局面はチャンスかもしれないと書きましたが、一方で、再浮上した悪材料がさらに強力な悪材料に変身している可能性は必ず検討しなければなりません。株探では検討の材料として今週、就任目前のトランプ氏をめぐる記事を数多く配信しました。

  馬渕治好氏【トランプ就任直前、“警戒警報”は鳴っているか?】(1) <相場観特集>
  清水洋介氏【トランプ就任直前、“警戒警報”は鳴っているか?】(2) <相場観特集>
  檜和田浩昭氏【トランプ就任直前、“警戒警報”は鳴っているか?】(3) <相場観特集>
  「迫る米大統領就任式、注目ポイントを緊急チェック!」 第一生命経研・藤代宏一主任エコノミストに聞く!<直撃Q&A>
  「トランプ次期米大統領、ドル高けん制発言の真意」外為どっとコム総研・神田卓也調査部長に聞く!<直撃Q&A>

 向こう1~2ヵ月の相場見通しに濃淡はあれど、真の危機ではないとの見解は一致するところ。この点は連載陣も同じで、植木靖男氏は「薄氷を踏む局面が続くか」で年初からの相場展開を「トランプ政策の光の部分が暗転して影の部分が浮上」と表現。十分な値固めが必要だが、「世界経済の方向性は明るいだけにお腹がすっきりすれば株価が再浮上することは間違いなさそう」と予想。北浜流一郎氏は「“キング”トランプは“エース国”を目指す!」で「トランプ大統領就任式の影響が軽微と思える銘柄にシフト」することを推奨し、その観点から注目株を紹介しています。


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