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【市況】【北浜流一郎のズバリ株先見!】 ─ “キング”トランプは“エース国”を目指す!

株式アドバイザー 北浜流一郎

「“キング”トランプは“エース国”を目指す!」

●トランプ会見後の下げは過剰反応

 私は今年はパソコンの横に常にトランプを置くことにした。正月も何年ぶりかで家族とトランプゲームを楽しんだが、もちろんこんなことをするのは、米大統領に就任するのがトランプ氏だからだ。

 カードと大統領とは何の関係もないように見えるだろう。しかし、私が思うに、大いに関係ありだ。

 改めて書くまでもなく、トランプには「キング」や「エース(A)」、そして「JOKER」などのカードがある。これらのカードを見ていて、改めて強く認識させられるのは、

(1)トランプ氏は米国のキングである、

(2)トランプ氏が目指すのは米国第一主義、米国を再び偉大な世界最強国(スーパーAランク国)にすることである、

(3)トランプ相場と付き合う場合、誰かがいずれ「JOKER」を引くことになる、

 以上のような点だ。日本時間12日に行われたトランプ氏の記者会見を受けて、東京市場が急落したのも、それをリアルに表していると見てよい。

 中国、メキシコ、日本の対米貿易は米国の貿易赤字拡大の要因となっており、著しく不均衡だ。許せない。

 この発言に東京市場は縮み上がったわけだが、正直、過剰反応ともいえる下落だった。なぜ過剰反応か。トランプ次期大統領は、警告を発しているのであり、政府がこれから通商政策を転じたり、企業であれば米国での投資を増やせば問題は解決するからだ。

 日本政府や企業はそうするだろうか。政府の対応は後手後手に回ってしまうだろうが、企業はそうはならないだろう。トヨタ自動車 <7203> が米国での投資を増やすと公約した例に見るように、今後、多くの企業が同社に続くと見てよい。また、そうしなければトランプ大統領の治世下では生き残れなくなってしまう。

●就任式後の予測は困難、そこで…

 前述したように、トランプ大統領は「キング」であり、自国を真の「エース(A)国」にしようと真剣だからだ。

 この趣旨に賛同、協力しない企業は排斥されるのが自然と見てよい。そして、それらは投資の対象から外すようにしたい。

 さて、ここでの注目銘柄。1月20日に予定されているトランプ大統領の就任式後、市場がどう動くかは予測が難しい。今回の記者会見で下げているので、大統領就任を受けて材料出尽くし的な下げとなる確率は低いものの、就任演説が従来の発言と大同小異なら、失望売りもあり得る。市場は常に新たなサプライズに期待しているからだ。

 このようなことを考えると、ここはトランプ大統領就任式の影響が軽微と思える銘柄にシフトしておきたい。

 まずは自動車部品店を運営しながら食品「業務スーパー」へも展開、農産物直売にも取り組んでいるG-7ホールディングス <7508> だ。

 東京オリンピックはまだまた先のことながら、開催に合わせて増加が見込めるのがスポーツ関係のイベント。この分野に強いのがセレスポ <9625> [JQ]であり、押し目は見逃さないようにしたい。

 自動車製造用などに使われるネジ締め用具に強いエスティック <6161> [東証2]も高値圏ながら続伸力を秘めていると見る。

 人材派遣と学校運営、介護事業など多角化経営が軌道に乗っているヒューマンホールディングス <2415> [JQ]の高値保ち合い状態は投資するのにやや勇気が必要ながら、この会社の積極経営ぶりは高く評価でき、株も期待が持てる。

 最後に東証1部銘柄にも目を向けおくと、米国で新工場を建設、8000人の雇用を半ば約束したも同然のダイキン工業 <6367> だ。米国のキング=トランプ次期大統領の意にかなう。

2017年1月13日 記


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