市場ニュース

戻る
 

【特集】檜和田浩昭氏【トランプ就任直前、“警戒警報”は鳴っているか?】(3) <相場観特集>

檜和田浩昭氏(東洋証券 マーケット支援部長)

―気迷い相場いつまで、大統領就任後の上値メドと下値メドは―

 東京株式市場は大発会に急騰で幕を開けたものの、その後はやや売りに押される展開で、ここにきて先行き不透明感も意識され始めている。週明け16日に日経平均株価は終値で1万9000円トビ台まで売られた。11日のトランプ次期米大統領の記者会見後に日本株が大きく水準を下げたことも、現在の気迷い気味のマーケット心理に反映されているようだ。今週は20日にトランプ次期米大統領の就任式を控えているが、それを前に投資家はどう立ち回るべきか。先読みに定評のある市場関係者3氏に意見を聞いた。

●「4-12月期決算発表を評価し強調展開に」

檜和田浩昭氏(東洋証券 マーケット支援部長)

 外国為替市場で、1ドル=113円台後半まで円高・ドル安が進行していることなどから、やや買いの手が緩みがちの地合いとなっている。ただ、1月後半から2月に掛けての東京株式市場を展望すると、中期的には強調相場となりそうだ。

 昨年11月にトランプ次期米大統領が当選して以降、日経平均株価は押し目らしい押し目もなく上昇を継続しており、この辺りでの一服は当然との捉え方もある。当面は、日経平均株価1万9000~1万9500円のレンジでの推移を想定しており、その後は2万円を目指す展開となりそうだ。

 今週末20日の大統領就任式でのトランプ氏の発言は気になるところだが、期待先行でややヒートアップしていたトランプラリーも、先週11日の記者会見以降はやや沈静化しており、就任式での発言によるマイナス材料は株価に織り込まれている部分も多い。

 来週からは、17年3月期決算企業の第3四半期累計(4-12月)決算発表が本格化することで、投資家の関心はこちらに向かいそうだ。日銀短観調査による主力輸出企業の想定為替レートは1ドル=100~105円となっており、昨年11月以降の急激な円安進行を反映して、通期業績の上方修正に踏み切る企業に注目が集まりそうだ。

 物色対象としては、半導体関連銘柄に注目している。人工知能(AI)モノのインターネット(IoT)自動運転など、今後中長期で成長が見込まれる分野を支えているのが半導体で、ウエハーなどの部材から製造装置まで、幅広く恩恵を受けることが見込まれる。

(聞き手・冨田康夫)

<プロフィール>(ひわだ・ひろあき)
1990年東洋証券入社、府中・横浜・福山支店で個人のリテール営業を経験。2002年情報部を経て11年2月からアジア部ストラテジストとして日本株と中国株を中心に相場分析を担当。その後、投資調査部次長を経て2015年11月から現職。日本FP協会正会員(CFP)。日本テクニカルアナリスト協会検定会員(CFTe)。株式講演会講師、新聞取材など多数。

株探ニュース

株探からのお知らせ

    日経平均