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【特集】【今週読まれた記事】2万円を超え遥か高くへ――日経平均“歴史的水準”突破の意味

日経平均 <日足> 「株探」多機能チャートより
 株探でその週によく読まれた記事を紹介する【今週読まれた記事】のコーナー、今週は6月3日から9日までの株探へのアクセス状況を元に人気の記事をご紹介します。

 日経平均株価2万円の大台を終値で死守。6日以降、2万円を挟んだ攻防を続けた末に、重要な水準を維持したというのが今週の東京株式市場に最もふさわしい表現となるでしょうか。しかし、「2万円」という数字が心理的なフシ目としては余りにも大きな意味を持っているため、マーケットはそれに囚われすぎているのかもしれません。

 問われるのは大局観。2012年12月に、歴史的なアベノミクス相場が始まってはや5年近く。そのあいだ、勢いよく上昇する時期ともちあいの時期、厳しい調整の時期が数週間から数ヵ月単位で繰り返し現れながら、相場は大勢で上昇を続けてきました。現在、私たちはアベノミクス相場の第何章に居るのでしょう。

 日経平均は2015年6月に2万952円高値をつけ、その後に中国での景気減速懸念などから2016年前半に1万5000円を割り込むまで調整。しかし年後半から再び上昇軌道に復帰し、この6月に2万円を回復。つまり2015年から2016年にかけ、景気の腰折れ懸念から調整した株価が、再び景気拡大を先取り上昇している。この上昇は2015年高値を更新する力をもったものなのか、そして高値更新後にさらに上値を追っていくだけのものなのか。日経平均が2万円という心理的節目を挟んだ往来を続けた今週の相場は、そんなマーケットの期待と不安を表しているようでした。

 「“2万円”は道路標識のようなもので、単なる通過点に過ぎない」という東洋証券・大塚竜太氏の言葉を伝えたのは、今週のアクセスランキング1位となった「完全突破“2万円”、上値追い加速の真相と『これから買うべき株』 <株探トップ特集>」。前週末の日経平均2万円奪回の日に今後の相場展開の予想とともに期待の銘柄を紹介し、今週1週間を通じて読まれ続けました。2万円を通過点とした大塚氏が続いて示したのは2015年高値の2万952円は問題なくクリア出来るだろうとの見方。記事はその他にも重要な分析を多数紹介しています。

 結局のところ、全体相場の先行きは景気動向と企業業績次第。日経平均が2万円を通過点としてさらなる上昇を続けるかどうかを占う意味では、人気の「最高益」銘柄紹介の数を見ていればいいかもしれません。今週のアクセスランキング2位は「利益成長“青天井”銘柄リスト【総集編】第1弾 38社選出 <成長株特集>」。時価総額300億円以上を対象とした第1弾に対し、第2弾は時価総額300億円未満の小型株44社を紹介。直近四半期で最高益を更新し通期予想でも最高益を更新するという条件で、合わせて82社もの企業がリストアップされるという事実こそ、景気の腰の強さを物語っていると言えるでしょう。最高益という観点では「最高益【大復活】銘柄リスト 35社選出 <成長株特集>」もアクセスを伸ばしたほか、2週間前の「18年3月期【連続最高益】更新リスト 30社選出 〔第2弾〕 <成長株特集>」は2週連続のランキング入り。日経平均の2万円は、1990年のバブル崩壊以降、30年近く上値のフシとして機能してきた重要な水準。ここを完全に上抜くためには、こうした最高益企業が増え続けるかどうかに掛かっているとも言えるでしょう。

 さて、そんな意味を持つ「2万円」という水準に到達したとなれば、それを“天井”と受け取る向きも当然いるでしょう。株探をご利用くださる相場巧者の皆様の予想はどのようなものでしょう? 今週のアクセスランキング3位となったのが「2万円割れを好機に変える――“輝ける低位株”先回り候補 <株探トップ特集>」だったのは、皆様の一つのメッセージだったかもしれません。2万円割れは好機である、全体相場はこの水準を超えて上昇が続く。市場参加者の総意として形成される株価と同様、多数の読者の方の総意であるアクセスランキングもまた、マーケットと同じような機能を発揮します。「2万円割れを好機に変える」の人気は、株価の先行きを予想するものではないでしょうか。

 投資テーマの特集では、新テーマの紹介記事が大人気となりました。「“AIスピーカー相場”が始まる―全米『大ヒット』テーマ上陸を買う <株探トップ特集>」は米アップルのスマートスピーカー「ホームポッド」発表をきっかけとした、日本での市場とAIスピーカー関連株立ち上がりの可能性を追ったもの。人工知能(AI)という21世紀のマーケットを貫く大テーマに加わった新たな切り口として追いかける価値があるでしょう。AI関連については、先月末に配信した「中村潤一の相場スクランブル 『AIメガトレンド相場に乗る最強布陣20銘柄』」が今週もアクセスを伸ばし、注目度の高さを浮き彫りにしています。新テーマという観点では、ランキング下位ながら「<話題の焦点>=電子申告義務化検討で関連銘柄はメリット享受へ」がアクセスを集めたほか、「経済効果“2兆円”、みちびき成功で花開く活用ビジネス『未来図』 <株探トップ特集>https://kabutan.jp/news/marketnews/?b=n201706080568」も人気でした。

 人気の少額投資シリーズは2記事がランクイン。「5万円以下で買える、高ROE・好業績『お宝候補』」は19社選出の【東証1部】編35社選出の【東証2部・新興市場】編がともに人気を集めました。高配当株紹介では「6月に配当取りを狙える【高利回り】ベスト30 <割安株特集>」がアクセスを伸ばしたほか、東証全銘柄を対象とした「【高配当利回り銘柄】ベスト30 <割安株特集> 6月7日版」、東証1部銘柄を対象とした「【高配当利回り株】ベスト50 <割安株特集> (6月2日現在)」がランキング入りしました。

 相場観特集は「強さ確認東京市場、2万円通過点にどこまで」。松井証券・窪田朋一郎氏はNEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信 <1570> の逆日歩などから、上昇の背景には売り方が買い戻しを強いられている状況が示唆されると分析。「2万円大台を割り込むイメージは乏しい」と指摘しています。日本アジア証券・清水三津雄氏は日経平均2万2000円の可能性に言及。内藤証券・田部井美彦氏は「“全般底上げ相場”がまだ途上」であり、「循環物色の輪が広がる可能性」を見ています。連載陣では現在の株価が割高との説に対し、「明確に『間違い』」と指摘した武者陵司氏の記事が目を引いたほか、「【北浜流一郎のズバリ株先見!】 ─ 『軽量+業績好調』株で上げ潮に乗る!」、「【植木靖男の相場展望】 ─ 金融、重厚長大株に底入れ感出るか」、「富田隆弥の【CHART CLUB】 『変化日の6月』」がいつもながらのアクセスを集めました。

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