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【市況】富田隆弥の【CHART CLUB】 「変化日の6月」

株式評論家 富田隆弥

◆昨年の6月はあの「ブレグジット」で世界マーケットは大きく荒れたが、今年の6月は大丈夫だろうか。いまのところ日米欧とも株式市場に波乱の気配は見られない。フランス大統領選挙が無事終了し、ロシアゲート疑惑や地政学リスクなどは程よいお湿りとなり、高値圏で居心地の良い地合いが続いている。「ゴルディロックス」とか「セルインメイは杞憂に終わった」との声も聞かれ、6月1日の日経平均株価は209円高の1万9860円と大きく上げ、先高期待を抱かせるスタートになった。

◆だが、この6月はアメリカ(FOMC、6月13日~14日)で利上げが予想されるほか、雇用統計(2日)やコミー前FBI長官の議会証言(8日)もある。さらにイギリスで総選挙(8日)、日本でメジャーSQ(9日)、フランスの議会選挙(11日、18日)など、気の抜けないスケジュールが続く。

◆日経平均の日足は25日移動平均線(1万9648円)や75日線(1万9282円)を下支えとした上昇基調にあり、2万円大台への挑戦は続くだろう(編集部注:本稿は6月1日執筆)。ただし、流れは上向きでもテクニカル面では注意を示唆する。騰落レシオが5月24日に164%まで増加し、直近も130%と過熱感は漂ったままだ。

◆そして、6月は「変化日」が集まる。日経平均は月半ばに一目均衡表日足の「雲(先行スパン)クロス」(12日)があるほか、2016年2月安値から基本数値の17ヵ月目に当たる。ちなみに、NYダウの日足もここから「雲」クロスのタイミングに差し掛かる。つまり、高値圏で変化日を迎える点に注意は必要だ。

◆ボーナスの時期とあって金融関係者の口から「弱気観測」はまず出てこないだろう。だが、「セルインメイは杞憂に終わった」と昨年もこの時期に多く耳にした。安心して居心地良い(ゴルディロックス)と皆が安心したところに「落とし穴」は待ち構えているもの。それがマーケットである。この6月も気を抜かず、「押し目買い-吹き値売り」「売り上がり」といった小まめな対応が望まれる。

(6月1日 記、毎週土曜日に更新)

情報提供:富田隆弥のチャートクラブ

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