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【市況】来週の相場で注目すべき3つのポイント:米FOMC、日銀会合、E3

ソフトバンク <日足> 「株探」多機能チャートより

■株式相場見通し

予想レンジ:上限20200-下限19800円

来週の市場の関心はFOMCとなろう。市場は今回の利上げ実施を織り込んでいるため、バランスシートの縮小や年内の利上げペースに関する当局の見解が焦点になる。とはいえ足元で為替市場は円高傾向にあり、予想通りに利上げ実施となれば、改めて円安に振れてくる可能性がありそうだ。個人主体の中小型株物色が活発だが、円相場の落ち着きをみせてくることにより、主力大型株へのシフトが意識されて来る可能性はある。

しかし、これまで相場をリードしてきた米アップルをはじめとするハイテク株の動向に変化がみられてきた。9日の米国市場では、米アップル株は4%近く下げている。今秋発売が予定されている新型「iPhone」に搭載されるモデム半導体のダウンロード速度が、競合他社の高額スマートフォンに劣るとの一部報道が嫌気された。

また、半導体のエヌビディアが大幅下落。空売り専門の調査会社シトロン・リサーチがツイッターで株価下落を予想したことが売りを誘った。さらに、ゴールドマン・サックスがハイテク株を巡る慎重な見方を示したこともハイテクセクターの売りにつながっている。先週はソフトバンクG<9984>の強さが目立っていたが、エヌビディアの連想から利食いの動きが強まるようだと、指数インパクトの大きさもあって日経平均に対する重しとなる。
一方、米下院は8日、2010年制定の金融規制改革法(ドッド・フランク法)の多くの条項を緩和する「金融選択法案」を可決した。上院では可決に必要な賛成票を得られない見通しで、成立は難しいとみられているが、ハイテクセクターへの利益確定が強まる可能性のなか、金融セクターへの資金シフトが意識されそうだ。

その他、個人投資家による中小型株物色が活発だが、週末には季刊誌の発売等もあり、成長期待が大きいと予想されている銘柄等へは、短期筋の値幅取り狙いの資金が集中することになりそうだ。その他、北米最大規模のゲーム展示会である「E3 2017」が6月13日から6月15日まで,ロサンゼルスで開催される。先日にソニー<6758>のPlayStation VR(PSVR)の全世界での販売台数が100万台を突破したと報じられており、E3での新作発表等が期待されそうだ。思惑が高まる中、VR/AR関連への手掛かり材料になる可能性はありそうだ。



■為替市場見通し

来週のドル・円は日米の金融政策(米追加利上げ、日本は現状維持)は織り込まれているが、両中央銀行の今後の方針が手がかりとなりそうだ。連邦準備理事会(FRB)は13-14日開催の連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利1.00-1.25%への引き上げを決定する公算。ただ、次の利上げ時期が9月か12月になるか現時点では読み切れず、投資家は6月の利上げ確認後は米長期金利の伸び悩みを想定して、ドル売りに転じる可能性がある。


■来週の注目スケジュール

6月12日(月):機械受注、工作機械受注、米財政収支など
6月13日(火):法人企業景気予測調査、独ZEW景況感指数、FOMC、E3など
6月14日(水):中小売売上高、米小売売上高、イエレンFRB議長会見など
6月15日(木):金融政策決定会合、米鉱工業生産指数など
6月16日(金):黒田総裁会見、米住宅着工件数、米ミシガン大学消費者信頼感指数など
6月17日(土):フランス国民議会(下院)選挙など

《TM》

 提供:フィスコ

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