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【市況】【北浜流一郎のズバリ株先見!】 ─ 上昇トレンド壊れぬ“強靱”銘柄につく!

株式アドバイザー 北浜流一郎

「上昇トレンド壊れぬ“強靱”銘柄につく!」

●コミー証言は大統領を窮地に追いやったのか?

 恐れていたコミー前FBI長官の議会証言が終わった。評価はさまざまで、トランプ大統領は今後さらに厳しい状況に陥りそうだ、との見方が結構多い。

 確かにその可能性はある。しかし、私は当面の危機は乗り切ったと見る。そして、今後はトランプの逆襲が始まるとも。

 コミー証言の問題点をみてみよう。同氏は2月に大統領と会談した際に、その席で大統領から腹心であったフリン前大統領補佐官(ロシアとの関係をめぐって辞任)について、「彼はいい奴だ。この件は放っておいてほしい(let this go)」などと言われたと証言。「大統領からの(捜査中止の)指示だと受け止めた」と述べている。

 実際、圧力ではあったのだろう。しかし、法的に考えると、コミー氏が勝手に圧力と感じたと解釈することもできる。トランプ大統領が「捜査中止」を命じたりもしていないからだ。

 この点についてコミー氏は、トランプ氏から1月に行った会食の席で「FBI長官の職にとどまりたいかと問われ、私がFBI長官にとどまることを認める代わりに、何かを得ようとしていた」とも証言している。

 さらには、「フリン氏とロシアとの関係に関する捜査から手を引くよう、大統領が要求しているのだと理解した」とも。

 これらも法的にはコミー氏の勝手な推測になってしまい、トランプ大統領を追い詰める材料としては弱いと言わざるを得ない。

 それどころかコミー氏は、トランプ氏との会話内容をメモ(通称:「コミー・メモ」)に残していて、FBI長官の職を解任されると報道機関にリークするため、メモを元連邦検事でコロンビア大学教授のダニエル・リッチマン氏に渡し、その後メモは、ニューヨーク・タイムズのマイケル・シュミット記者にリークされたという。

 この一連の動きは、コミー氏にとって非常に不利だ。「トランプ氏との会話を報道機関を通じて明らかにすることで、トランプ政権とロシアをめぐる疑惑の解明につなげたかった」との理由からであったとしても、FBI職員だった者は、退職後も職務上得た情報を外部に漏らすことは禁じられているからだ。しかも、コミー氏はFBIのトップの座にあった人物。そんな人物が理由はともかく、情報を意図的に外部に漏らした行為は、今後厳しく咎められる恐れがある。

●市場のリスク警戒ムードも後退へ

 このような状況を踏まえると、トランプ大統領は当面の危機を乗り切り、市場も次第に落ち着きを取り戻す。こう予見され、引き続き、トランプ・リスクがあっても上昇トレンドが壊れなかった銘柄の続伸に期待だ。

 そこで、具体的にはまずは、日本ライフライン <7575> だ。ペースメーカーや、心臓内の刺激伝導経路を検査し、不整脈の原因となっている部分を特定するための電極がついた細いカテーテル =EPカテーテルに強い会社だ。ペースメーカーは輸入品だが、EPカテーテルは自社製品。いまは両機器とも需要増が続いているだけに株も期待が持てる。

 スマホ用産業機器類の需要低迷が続くものの、インクジェットプリンターの好調が続くブラザー工業 <6448> も少しでも押し目があれば拾っておきたい銘柄の一つになる。地味ながらミシン需要の堅調も株価を支える。

 人手不足が深刻化しつつあることから、エス・エム・エス <2175> も魅力的だ。ネットでの介護・医療業界に特化した人材紹介求人広告などを主業務としている会社だ。介護、医療関連業界は人手の確保が非常に困難になっているため、この会社のビジネスは拡大を続けている。2003年4月の創業以来、増収増益が続き、今後も当分それは続く方向にある。株も緩やかな続伸が見込める。

 すでに取り上げたことがあるが、またまたニチレイ <2871> だ。冷凍食品最大手であり、これからの季節、大いにお世話になることになる。株価はすでに高いが、なお上昇余地ありと見ている。

 最後に新興銘柄を。100円ショップとユニクロ。両店の前を通りかかったら、どちらに入りたくなるか。私は前者に入る。ということで、セリア <2782> [JQ]だ。100円ショップ2位であり、しかも驚くことにいまでも毎期100店舗ほど新店舗を増やしている。つまり、成長を続けていることになり、株も緩やかな成長を続ける可能性が高い。

2017年6月9日 記

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