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【市況】新興市場見通し:イベント続きでも中小型株の強さは変わらず、2ヶ月ぶりのIPOにも注目

マザーズ指数 <日足> 「株探」多機能チャートより

先週の新興市場では、マザーズ指数、日経ジャスダック平均とも比較的堅調に推移した。日経平均は2万円の大台を回復した目先達成感に加え、6月8日の英総選挙や米連邦捜査局(FBI)前長官の議会証言といった重要イベント前の手控えムードからやや上値が重く、マザーズ銘柄も相場全体の地合い軟化に連れて売られる場面があったが、材料株やゲーム関連株などへの買いが続いた。週末にはイベント通過による安心感からマザーズ指数は上値を追う展開となった。なお、週間の騰落率は、日経平均が-0.8%であったのに対して、マザーズ指数は+2.0%、日経ジャスダック平均は+0.8%だった。

個別では、ミクシィ<2121>が週間で0.9%安、サイバーダイン<7779>が同2.0%安、そーせいグループ<4565>が同1.1%安とマザーズ時価総額上位は上値の重い展開だった。一方、これらに次ぐアカツキ<3932>は同21.7%高と大きく上昇。一部証券会社による目標株価引き上げが観測された。ゲーム株ではモブキャスト<3664>やサイバーステップ<3810>も海外で好調との見方から大きく買われた。また、バイオ関連のアンジェスMG<4563>や仮想通貨関連のリミックスポイント<3825>といった人気株の活況が続き、週間のマザーズ上昇率上位に顔を出した。反面、インフォテリア<3853>やソレイジア・ファーマ<4597>は利益確定売りに押された。ジャスダック主力では、セリア<2782>が同4.9%高、UTグループ<2146>が同8.3%高と堅調で、東証1部への市場変更が決定した平田機工<6258>は同12.2%高となった。売買代金上位ではゲーム株のアエリア<3758>、サイバーセキュリティ関連のアズジェント<4288>やテリロジー<3356>、バイオ株のラクオリア創薬<4579>などが大きく買われ、新製品開発を発表したリバーエレテック<6666>は前週末比で株価が2倍となった。一方、ベクター<2656>やナガオカ<6239>は利益確定の動きから軟調だった。

今週の新興市場は、引き続きしっかりした展開となりそうだ。6月13日からは米連邦公開市場委員会(FOMC)が予定されており、主力大型株に再び手控えムードが広がれば値幅取り狙いの物色は中小型株に向かいやすい。相場全体の地合いに連れて目先の利益を確定する動きが出てくる場面もあるだろうが、個人投資家の中小型株への物色意欲は強く、積極的な押し目買いが支えとなる。

今週は6月13日にジェネレーションパス<3195>、14日にエニグモ<3665>、サンバイオ<4592>、ハイアス・アンド・カンパニー<6192>、スリー・ディー・マトリックス<7777>、オービス<7827>などが決算発表を予定している。エニグモは前期に業績が急拡大しただけに期待が高いようだ。また、米国では13日から世界最大のゲーム見本市「E3 2017」が開幕し、ゲーム関連に加えAR/VR(拡張現実/仮想現実)関連銘柄などへの関心が高まることも想定される。

IPO関連では、6月15日にビーブレイクシステムズ<3986>がマザーズへ新規上場する。IPOで根強い人気のあるクラウドサービス関連であり、約2ヶ月のIPO空白期間明け最初の案件ということもあって、投資家の関心は高いようだ。また、ツナグ・ソリューションズ<6551>とSYS HD<3988>が14日から、GameWith<6552>が15日からブックビルディング期間となる。なお、先週はソウルドアウト<6553>(7月12日、マザーズ)の新規上場が発表されている。

《FA》

 提供:フィスコ

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