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【特集】窪田朋一郎氏【強さ確認東京市場、2万円通過点にどこまで】(1) <相場観特集>

窪田朋一郎氏(松井証券 シニアマーケットアナリスト)

―利益確定先行も押し目買い需要旺盛、上値追いはいつ始まる―

 週明け5日の東京株式市場は、円高含みに推移する為替を横目に利益確定売りが先行したものの、下値では押し目買い需要が旺盛で売り物を吸収、日経平均株価は朝安後に一時プラス圏に切り返す強さをみせた。前週末に待望の2万円大台を回復して意気上がる場面だが、テクニカル面などからは過熱感も意識され、大引けはわずかにマイナス圏で着地した。追撃の買いを入れるか、それともいったん様子見か、投資家にとっては悩ましい場面だ。経験豊富な市場関係者3人の視点を紹介する。

●「売り方に厳しい地合い、目先2万500円前後が射程に」

窪田朋一郎氏(松井証券 シニアマーケットアナリスト)

 常識的にはきょうは下値を試すと予想する向きが多かったと思われるが、そうならないところに今の相場の強さがある。自動車セクターやメガバンクなど本来であれば相場の牽引役を担う主力銘柄が弱い動きをみせているものの、それを補う形で任天堂 <7974> やキーエンス <6861> 、東京エレクトロン <8035> などの値がさ株が買われ、株価指数は押し目らしい押し目がない状況だ。

 マザーズやジャスダック市場など新興市場は一段と強さが際立っており、個人投資家マネーの回転も利いている。今は売り方の思惑が“上げ相場の糧”になっている格好であり、例えば、NEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信 <1570> [東証E]は日証金で逆日歩がついている状況。テクニカル指標は総じて過熱感を示しており、それを拠りどころに売りから入った投資家が、仕方なく買い戻しを強いられる展開を示唆している。

 これはもちろん日本だけの現象ではない。米国、英国、ドイツなどのほか、アジアでも韓国や台湾、香港などいずれも高値圏で強調展開にあり、世界的な債券から株式への資金シフト、いわゆるグレートローテーションが起こっている。この流れに乗って当面は日経平均も上値を慕う動きが想定され、今週中にも2万500円前後を目指す展開を予想している。下に振られたとしても、足もと2万円大台を割り込むイメージは乏しい。

 物色対象としては、相場の活況がそのまま収益への追い風となる野村ホールディングス <8604> 、大和証券グループ本社 <8601> などの証券株や、株高に伴う資産効果が消費者マインドを刺激することで、高島屋 <8233> 、三越伊勢丹ホールディングス <3099> など百貨店株をはじめとする消費関連も注目。また、世界的な半導体需要の拡大を背景に、東京エレクトロン <8035> などを筆頭とする半導体関連銘柄は、現在のバブル初動的な相場を牽引していく可能性があるとみている。

(聞き手・中村潤一)

<プロフィール>(くぼた・ともいちろう)
松井証券へ入社後、マーケティング部を経て現職。ネット証券草創期から株式を中心に相場をウオッチし続け、個人投資家の売買動向にも詳しい。

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