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【特集】清水三津雄氏【強さ確認東京市場、2万円通過点にどこまで】(2) <相場観特集>

清水三津雄氏(日本アジア証券 エクイティ・ストラテジスト)

―利益確定先行も押し目買い需要旺盛、上値追いはいつ始まる―

 週明け5日の東京株式市場は、円高含みに推移する為替を横目に利益確定売りが先行したものの、下値では押し目買い需要が旺盛で売り物を吸収、日経平均株価は朝安後に一時プラス圏に切り返す強さをみせた。前週末に待望の2万円大台を回復して意気上がる場面だが、テクニカル面などからは過熱感も意識され、大引けはわずかにマイナス圏で着地した。追撃の買いを入れるか、それともいったん様子見か、投資家にとっては悩ましい場面だ。経験豊富な市場関係者3人の視点を紹介する。

●「日本株は割安顕著、15年6月高値更新へ」

清水三津雄氏(日本アジア証券 エクイティ・ストラテジスト)

 日経平均株価は2日に2万円に乗せた。この要因として日本企業の業績拡大に加え、マクロの経済指標も好調で株価には出遅れ感が強まっていることなどが挙げられる。

 NYダウなどが最高値を更新しているが、米国ではS&P500指数が連結PRE18倍の水準に買われているのに対し、日経平均株価の水準は、PERは14倍台に過ぎない。日経平均株価の1株当たり利益は1400円前後の水準にあり、これをPER16倍前後まで買えば、2万2000円台は十分見えてくる。こうしたなか、今後1ヵ月程度の日経平均株価は、15年6月高値2万868円を更新し2万1000円を視野に入れる展開が期待できる。

 個別銘柄やセクターでは、まずは金融セクターに注目している。銀行や証券株の出遅れ感は強く、特に三菱UFJフィナンシャル・グループ <8306> や三井住友フィナンシャルグループ <8316> 、みずほフィナンシャルグループ <8411> といったメガバンクは配当利回りなどからも見直し余地は大きい。

 また、設備投資や省力化に関連する機械、それに電機株への投資妙味が膨らんでいる。機械株ならSMC <6273> やキーエンス <6861> 、ファナック <6954> など。電機株では村田製作所 <6981> やTDK <6762> に再評価余地がある。三菱商事 <8058> や三井物産 <8031> など商社株も配当利回りなどで見直し余地がある。加えて、ゲーム関連株のカプコン <9697> やバンダイナムコホールディングス <7832> などにも注目したい。

(聞き手・岡里英幸)

<プロフィール>(しみず・みつお)
日本アジア証券エクイティ・ストラテジスト。歯切れの良さと分かりやすい説明に加え、ピンポイントの銘柄分析に定評がある。セミナー講師を年間50回以上務め、個人投資家との対話が好評を博す。「ラジオNIKKEI」「日経CNBC」「ストックボイス」にレギュラー出演中。

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