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【特集】【今週読まれた記事】傷ついた銀行株と垂直落下の一週間

 株探でその週によく読まれた記事を紹介する【今週読まれた記事】のコーナー、今週は2月6日から12日までの株探へのアクセス状況を元に人気の記事をご紹介します。

 1月21日の日経平均株価1万6017円に対する2番底を探る展開が期待された今週の相場は、週初の1万7004円から連日の垂直落下となり、1万4952円で取引を終了。為替市場では急激なドル安・円高が進行し、前週末の1ドル=116円台から一時は111円台まで円が買われました。

 海外市場でも株安は変わらず、全世界の金融マーケットが激震に見舞われたこの1週間、最も多く読まれたのは2月10日大引け後に配信した株探トップ特集「非常事態“1万6000円割れ” 市場の見方」でした。同特集では見解が割れる市場の声とともに、「グローバル経済の先行きに対する不透明感」が市場を覆い、欧米で銀行株が窮地に置かれていることを紹介します。

◯傷ついた銀行株
 次いで読まれたのは「中村潤一の相場スクランブル 『視界ゼロ相場で見えてきたもの』」で、「銀行株を傷めながら上昇する相場には限界」があると述べ、マイナス金利は“北風”の政策と指摘。

 前週末の相場観特集で紹介した窪田朋一郎氏の「銀行業界にとっては“逆噴射政策”以外の何ものでもなく、抜いてはいけない宝刀だった」という言葉通りに相場が展開したことが見えてきます。

 場中の個別銘柄動向の速報記事でも、銀行株の動向について伝える記事が異例のアクセス数となり、個人投資家の皆様も同じ危機感を共有していたことが浮かび上がってきます。9日は「三菱UFJが3年ぶり500円割れ、黒田バズーカ逆噴射で銀行受難」、10日は「メガバンクが連日の下落、欧州銀行株が下げ止まらず」が注目を集めました。

 なお、12日場中に配信したメガバンク動向の速報記事は「三菱UFJなどメガバンクが下げ渋る、全般暴落相場のなか一筋の光明」でした。三菱UFJ <8306> 、三井住友FG <8316> 、みずほFG <8411> が軒並みPBR0.5倍割れ、配当利回り4%超となっていることについて触れ、中期スタンスに立った場合は現物株への投資を誘発しやすい水準まで下落していることを指摘しています。銀行株が世界的に下落するなか、下落に歯止めがかかるのか注視されるところです。

◯2008年リーマン・ショックとの類似
 さて、「中村潤一の相場スクランブル 『視界ゼロ相場で見えてきたもの』」ではジョージ・ソロス氏の「リーマン・ショックと同じ危機を連想させる」との言葉を紹介しているのですが、同じ主旨で多くの方に読まれたのが人気連載「富田隆弥の【CHART CLUB】」の「節分高、彼岸底」です。昨年から新春にかけての相場が1995年と2008年に類似していることを改めて指摘。「普通の調整局面ではないことを認識しておかねばならない」との警鐘とともに、今後の流れを予想しています。日経平均は節分の日直前の2月1日が1月21日安値に対する戻り高値となり、過去との類似はさらに進行しています。

 富田隆弥の【CHART CLUB】では昨年8月から9月にかけてのチャイナショック時に「『07年8月』のサブプライム・ショックと酷似」と早くも指摘。「リーマンショック」へと突き進む2007年以降の相場展開を参考にすべきと2015年8月30日の段階で警告しています。9月にも改めてサブプライム時との類似について分析し、今年に入っても新春特集翌週の記事と警鐘を鳴らし続けています。富田隆弥の【CHART CLUB】からは目が離せない状況が続きそうです。

◯配当利回り上昇とPBRの低下
 安全資産への資金移動により株価が下落することで、配当利回り、PER、PBRなどの指標値は明らかに割安圏に入っています。割安銘柄が増加する状況を伝えた記事は引き続きページビューを伸ばしました。

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 タイミングの見極めは難しいものの、戻り相場に入った際や、長期投資を見据えて仕込みを考える場合には参考になるリストとなっています。

 また、相場環境に左右されず、今後数年間にわたって有効となるであろう投資テーマを紹介した、「『医療クラウド』普及へ弾み、市場規模10倍予測も」、「加速する『無電柱化』、安倍首相推進法案に意欲」も多くの方に読んでいただきました。

 目の前の危機についての記事が上位に並ぶ一方、未来を見据えた記事も読まれるアクセス状況からは、悪地合いをしかと見つめながら、同時に遙か先へも視線を送る経験豊富な投資家像が浮かんできます。株探編集部も歴戦の強者である個人投資家の皆様のお眼鏡にかなう記事を配信し続けなければと改めて心を引き締められるアクセス状況でした。

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