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2016年01月01日09時30分

【特集】富田隆弥の【CHART CLUB】スペシャル版 <新春特集>

株式評論家 富田隆弥

◆懸念されるサプライズ効果の減退

 2016年相場だが、結論から言えば「楽観許されず」である。

 アベノミクス「新三本の矢」が早々にも放たれる可能性があるほか、夏の参院選(同時選挙の説)を控え、その前のどこかで日銀が追加緩和(QE3)に動く可能性もある。新年アンケートでは景気回復、賃金上昇、円安、爆買い……など好材料が並び、年央~後半に2万2000円、2万3000円、2万4000円と右方上がりの回答が多く並ぶ。

 だが、アベノミクスも4年目となり、サプライズ効果が乏しくなっているのは言うまでもない。爆買いにより消費が上向いているのは間違いなく、新年も中国やアジアから観光客が大挙押し寄せるので期待は膨らむ。だが、前年同期比で出てくる数値は15年の高い数値が対象になるので、新年の小売り売上高などは「伸び率鈍化」となるだろう。

 そして、市場がグローバル化していることも見逃せない。「外国人次第、米国株次第」と言われる日本株だ。国内事情より海外の動向に振らされる時代で、今年8月~9月に急落した如く、米国株が大きく下げれば日本株など苦も無く下げてしまう。

 世界市場を牽引するアメリカは12月に利上げした。その影響がどう出るかは新年になってから分かることだが、軟調な原油や商品市場の動向、新興国の経済・財政への影響など軽視できない。さらに運用難に直面するSWF(政府系ファンド)やヘッジファンド、投資会社などからは経営危機説が浮上する可能性もある。加えて、高まる地政学リスクを踏まえると、新年「楽観」ばかり唱えてはいられない。

◆否めないN波、V波の計算値の可能性

 日経平均株価の週足チャートはすでに崩れている。8月11日高値2万0946円→9月29日安値1万6901円の急落で「トレンドも波動も陰転」。その下げ幅4045円を12月戻り高値2万0012円に当てはめると、二段下げ(N波)のメドは1万5967円となる。また、12月までの戻り幅3111円でV波(倍返し)を計算すると1万3790円となる。

 「えッ?まさか…」、そんな声が聞こえてきそうだが、サブプライムショック時の2007~2008年はN波、V波で止まらずE波(今回なら1万6901円-4045円=1万2856円)以上に突っ込んだ。週足がダブルトップを描いてから崩れ、そのあと7~8割戻して頭打ちするなど、2015年は2007年の週足と似ている。

 「最大の材料は需給」であり、7年間のマネーバブルで描いたマネーゲーム相場が崩壊となれば、何が起こるか分からない。楽観シナリオが台頭する新春だが、それだけに新春から波乱相場に陥る「意外性」を孕んでいることも否めない。

 もちろん、チャートに従うのが基本であるから「NYダウ1万8000ドル回復」とか「日経平均2万0012円突破」など、チャートが好転の兆しを見せるなら「慎重観測を一旦封印」する。それは付け加えておく。

 しかし、その好転信号を見せなければ「先安懸念」が付きまとい、「サブプライム酷似相場」も続く。2016年の予想シナリオは「新春下落→3月1万6000円安値→6月1万8000円に戻し→年後半1万3000円安値」。

 新春から楽しくない観測を並べて申し訳ない。こんな観測など大ハズレすることを願っているが、期待や希望で儲かる保証はどこにもなく、誰が何を言おうともトレンドに従って対応するのがチャートの基本であり、何よりの指針である。

2015年12月29日 記

情報提供:富田隆弥のチャートクラブ

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