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【特集】植木靖男が斬る!申年「有望株!」 <新春お年玉企画>

株式評論家 植木靖男

「年後半に2万~2万1000円へ反騰」

●「円安・米国株高」の構図再現は難しい

 15年相場は、値動きも市場環境も波乱に富んだ1年であったが、16年も同じような年になる可能性が大きい。

 年末にかけての株価は、明らかに為替と米国株価に左右されるとの認識が強まった。では、16年の米国株はどう展開するとみればよいのか。

 市場をリーマンショック後、支えてきたのは過剰流動性である。異次元の金融緩和策でFRBの資産総額は4兆5000億ドルにまで膨らんだ。このため、正常化に向け利上げをしたが、資産の減額は先送りになるほか、欧州、日本が追加金融緩和策に踏み切る期待もあり、世界的な流動性減少への不安は和らぐとみられる。とはいえ、景気の先行きには不透明感もある。

 加えて、中国経済の減速やマネー巻き戻しで新興国の通貨安、原油安など国際商品市況安が年前半は尾を引く公算が大きい。それはまた日米欧の先進国の経済を下押す圧力となりかねない。

 かくて、米国株は16年は厳しい立場に追い込まれる可能性が大きい。

 一方、為替はどうか。安倍政権誕生後は為替動向は劇的に変化し、円安トレンドは確かなものとなった。しかし、このトレンドも11年ボトムから4年を経過、わが国経常収支は黒字化しつつあり、ドルも高値圏にあることは否めない。15年6月高値125円台奪回は難しいとみる。

 このようにみると、わが国株価上昇の条件である円安、米国株高は少なくとも前半は成立し難く、結局、株価は調整局面入りを余儀なくされることになろう。

●年前半は中小型材料、後半は優良株が主導

 もっとも、調整は17~18年の再上昇局面入りを前提とすれば、調整の幅は浅いと判断される。また、国内的には注目材料として明るいものもある。政策として補正予算や法人税の引き下げ、オリンピックを控えた都市再開発などは株価に好影響を与えることになろう。

 結論をいえば、16年前半は調整色を強め、日経平均株価は1万6500円~1万7000円。年後半は日銀の追加金融緩和、さらには原油など資源、素材の市況反発が予想され、2万~2万1000円への株価反騰が期待されよう。

 注目銘柄は、年前半は個別物色が強まり中小型材料株主導か、後半は優良株主導となりそうだ。

 具体的には、医薬品株。小野薬 <4528> が、99年のソフトバンクになるかどうか。塩野義 <4507> も後追いへ。TPPでクミアイ化 <4996> 。ロボット関連でサイバダイン <7779> [東証M]、オリンピックでは新国立競技場建設の大成建 <1801> 、リニアでトンネル掘削機の古河機金 <5715> 、低位株ではPM2.5関連で明星電 <6709> [東証2]。

 優良株では光センサーのホトニクス <6965> やマイナンバー、フィンテック関連のNTTデータ <9613> 、さらに“国策に売りなし”からゆうちょ銀 <7182> もおもしろそうだ。

◆植木氏のお薦め「2016年ポートフォリオ10銘柄」

小野薬 <4528>
塩野義 <4507>
クミアイ化 <4996>
サイバダイン <7779> [東証M]
大成建 <1801>
古河機金 <5715>
明星電 <6709> [東証2]
ホトニクス <6965>
NTTデータ <9613>
ゆうちょ銀 <7182>

2015年12月29日 記

株探ニュース

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