【特集】横山利香が斬る!申年「有望株!」 <新春お年玉企画>
横山利香 (テクニカルアナリスト)
「安定の最終局面に、次年度前半に天井形成も」
●調整時にはリバウンド取り戦略で
2012年末の解散総選挙で自民党が大勝してから、はや3年が経過した。日銀によるETF買いや金融緩和政策といった後押しに加え、米国をはじめとした世界各国の景気回復などもあり、日本の株式市場はその間大幅に上昇した。しかし、日経平均株価が2万円を回復したあたりから、チャイナ・ショックが発生するなど新興国経済の先行きに不安が生じ始め、株式市場は上昇するのか下落するのか、はっきりしない展開が続いている。
金融市場は安定と波乱を繰り返すのが常だ。2008年に世界の金融市場に大混乱をもたらしたリーマン・ショックから7年あまりが経過、当時を知らない投資家も多くいるだろう。安定と波乱が一定のサイクルで訪れることを忘れてはならない。サイクルの視点から考えると、安定の最終局面に差し掛かってきているのではないだろうか。
2016年は時間をかけて調整し、2万1000円プラスマイナス500円程度を高値目標として予想。次年度前半に天井を形成する可能性が考えられる。大きく調整する時にはリバウンド取りの戦略で、お目当ての銘柄を仕込めるようにしたい。
●原油反転、円高ドル安に注意
まず注目しておきたいのが原油安だ。シェールガスの増産や新興国経済の低迷による需要の低下など、さまざまな要因が原油価格の低迷要因として挙げられた。しかし、世界は今、地政学的リスクが高まっており、原油価格の上昇につながる可能性もある。さらに、チャートを見る限り、2016年中頃に底打ちのシグナルが発生する可能性もあり、将来の反転上昇リスクを高めている。原油価格の上昇は一長一短だ。原油安によって好調な企業業績がもたらされている企業には注意したい。
また、米国FRBによる金利の引き上げ動向にも注目しておきたい。金融緩和でばらまかれた資金が市場から一時的に流出するリスクに加え、売りが売りを巻き込み、円高ドル安が進む可能性もある。円高に強い企業も増えてきてはいるが、株式市場に与える影響は少なからずあるだろう。
ドル円相場は株式市場同様、次年度前半に天井を形成する可能性が考えられる。1米ドル120円を割り込み、115円前後から123円前後を想定する。
2016年の銘柄は、外国人を対象としたインバウンド、中でも民泊関連銘柄のネクスト <2120> やアパマンショ <8889> [JQ]、共立メンテ <9616> などの他、派生銘柄にも注目したい。
加えて、原油価格の底打ちを期待する場合には原油関連の原油ブル <2038> [東証ETN]などにも注目したいが、底打ちを確認してからでも全く遅くはないだろう。さらに、強いものがさらに強くなる展開を想定。年初来高値を更新中の銘柄からピックアップする戦略もよいだろう。
◆横山さんのお薦め「2016年ポートフォリオ10銘柄」
ネクスト <2120>
アパマンショ <8889> [JQ]
共立メンテ <9616>
SFJ <9206> [東証2]
エンジャパン <4849> [JQ]
リニカル <2183>
ゼンショHD <7550>
中村超硬 <6166> [東証M]
セプテニHD <4293> [JQ]
原油ブル <2038> [東証ETN]
2015年12月29日 記
横山利香(テクニカルアナリスト、ファイナンシャルプランナー)
投資・マネー誌などを舞台に執筆活動を行うほか、講演などでも活躍。All About「投資をはじめてみよう」ガイド。会社四季報オンラインでは「横山利香のスイングトレード日記」を執筆中。
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