【特集】杉村富生が斬る!申年「有望株!」 <新春お年玉企画>
株式評論家 杉村富生
「いつまでもあると思うな、親と円安&原油安!」
●昨年以上に難しい投資環境の年に
2016年相場は2015年以上に難しい投資環境の年になろう。外部環境は相変わらず、不透明である。為替、資源・エネルギー価格の動向に加え、中国リスクの存在、新興国のジャンク債問題、世界景気の行方、テロの恐怖が投資意欲を鈍らせる。そう、リスク・オフとなる。
さらに、アメリカは11月に大統領選挙、日本は7月に参院選(衆参同日選の可能性が浮上)を控えている。選挙結果が株式市場に大きな影響を与えるだろう。7月にはギリシャの財政問題が再びクローズアップされる。2015年は財政再建策の是非を問う国民投票だったが、2016年はユーロ離脱か、否かの国民投票になろう。
為替は意外や意外、年初は円高に振れると思う。アメリカが利上げに踏み切った局面ではドル高・円安とならず、ドル安・円高になっている。おそらく、事前のドルロング(買い)のポジション調整(巻き戻し)が行われるのだろう。これには注意を要する。
●今年もやはり、Sell in Mayか?
原油(WTI)、CRB指数、バルチック海運指数は底割れの状態である。人口大国(特に、中国)の景気低迷が主因だろう。ただ、原油については1バレル=30ドル以下があっても“瞬間”と思う。外資系証券が唱えている15~20ドルレベルは考えにくい。むしろ、パイプライン、油田爆破などのテロが起こり得る。その場合、50~60ドルにハネ上がる。
日経平均株価は5~6月に、2万2000円超の高値をつけるだろう。しかし、2015年同様、そこは手堅く利食いを優先すべきだと考える。いわゆる「Sell in May(株は5月に売れッ)」である。
物色面では引き続いて自動運転、フィンテック&ブロックチェーン、ロボット、バイオテクノロジー、人工知能、情報セキュリティ、航空機、介護、インフラ改修、リニア中央新幹線などがメインテーマとなろう。
銘柄的には主軸株を避けるのが無難だろう。主軸株の買いは日経平均の1万7800円(PER14倍)絡みの水準をメドにしたい。その局面において、裁定買い残が2.5兆円前後まで減少していればベストとなる。
◆杉村氏のお薦め「2016年ポートフォリオ10銘柄」
Oak <3113> [東証2]
モルフォ <3653> [東証M]
そーせい <4565> [東証M]
アイサンテク <4667> [JQ]
ナブテスコ <6268>
AGCap <6993> [東証2]
日本プラスト <7291> [東証2]
J・TEC <7774> [JQG]
岩谷産 <8088>
FVC <8462> [JQ]
【2015年12月28日 記】
株探ニュース