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【市況】富田隆弥の【CHART CLUB】 「07年サブプライムと酷似」


◆「荒れる3日新甫」とはいえ、1万7714円までわずか1週間に2840円(率にして13.8%)も急落するとは驚きだった。NYダウが一時「1000ドル安」するなど、中国懸念に端を発した今回の同時株安は世界を混乱に陥れた。ここで注視すべきは、各国のチャートが軒並み「陰転」したこと。つまり、6年半に及ぶ過剰流動性(マネーゲーム)相場の終焉を暗示したことである。

◆とはいえ、日経平均は週足の「雲」(1万7270円)に差し掛かり、サイコロやRCIなど短期テクニカルが底入れ、目先的には一旦下げ止まることが想定される。下げ止まれば、相場は乱高下しながら落ち着き処を探ることになる。大きく下げた反動でリバウンドは小さくなく、当面は200日線(1万9000円)から半値戻し(基準線1万9330円処)、うまくすれば日足の「雲」や26週線の「2万円処」を試すことも想定される。「郵政上場」を控えるだけにPKO(日銀のETF買い、年金のJPX400買いなど)も強烈に介入してこよう。

◆今回の下げ方は「07年8月」のサブプライム・ショックと酷似する。高値から16%調整、25日線マイナス乖離12%など、今回の「8月26日安値1万7714円」は合致する。だが、問題はここからの戻り。仮に1万9000円台に戻しても、チャートはそれで「底打ちした」とか「もう大丈夫」とはならない。チャートが回復、好転を示唆するには「8月11高値2万0946円」奪回が必要で、それまでは「アヤ戻り」となる。アヤ戻りが一巡となり頭を叩かれると、次に待っているのは「二段下げ」であるから、先行きまだ気は抜けない。07年、サブプライムのあとは10月11日まで73%戻したが、そのあと二段下げに転じて「リーマンショック」へと突き進む。そうした07年相場の展開を今回も参考にしておくべきだろう。

◆相場の最大の要因は「需給」。相場が崩れることで買い方の地合いが終わる。また、一時的にせよ相場が暴落すると、そこで膨大な損失を被る投資家が出て、金融機関によっては経営危機に陥るところも出かねない。それが金融危機となり、後の急落相場につながっていく。相場が戻ればまた強気筋が息を吹き返すだろうが、目先のアヤ戻りとその後に二段下げとなるシナリオの可能性があることを忘れずに、対応していきたい。

(8月27日 記、毎週日曜日8時40分に更新)

情報提供:富田隆弥のチャートクラブ

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