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2016年01月09日09時00分

【市況】富田隆弥の【CHART CLUB】 「1995年、2008年の新春」

株式評論家 富田隆弥

◆「新春から波乱に陥る意外性を孕んでいる」と1月1日の【CHART CLUB】スペシャル版で指摘したが、嫌な予感が当たりそうな雲行きだ。日経平均株価は大発会(4日)にいきなり600円近く下げ、7日は4日続落で1万7767円引け、大納会から1266円下げている。急落に伴いサイコロやRCIなど日足テクニカルが底値圏に来ており、目先的には一旦反発も想定されるが、週足チャートはすでに崩れており、安易な楽観は禁物だ。

◆大発会からの4日続落は21年ぶりだが、その21年前というのは1995年で、阪神淡路大震災、ベアリング証券破綻、地下鉄サリン事件などがあり、日経平均が春先の3ヵ月で2割下落した時である。そんな辛い時のことなど思い出したくないが、チャートではさらに2007~08年の「サブプライムショック」当時と似ていることを語らねばならない。

◆2008年の発会は639円安で始まり、3月中旬までに2割強下げた。そこは07年後半から始まったサブプライムショックの過程で、前年夏場のダブルトップ形成から陰転した週足の流れなど今回よく似ており、同時株安の幕開けも然り。サブプライムショックとは、ITバブル崩壊から立ち直らせるべく当時のグリーンスパンFRB議長の金融緩和、過剰流動性政策に伴い余ったマネーが世界中に溢れ、金融工学を駆使した金融商品が人気となり世界中にばらまかれた時だ。

◆そして今回は、リーマンショックから立ち直らせるべくFRB(バーナンキ、イエレン)主導で過剰流動性を7年間続け、マネーは未曾有の量で世界に溢れている。欧米の株価は過去最高値を更新、そしてイエレン議長が昨年12月にゼロ金利を解除した。世界景気が回復していくならイエレン議長の政策は成功と言えるのだが、果たしてどうだろうか。

◆世界中に溢れているマネーの量は2007年以上で、米国利上げを機にマネーの巻き戻しがすでに始まっている。世界の株式市場はピークアウトから陰転を臭わせ、原油や資源など商品価格はすでに大きく下げ、資源企業や新興国、中東諸国の中には試練に直面しているところもある。

◆そして中国。新年早々にサーキットブレーカー連発だが、それだけ需給悪の背景があるということだ。また、中東や北朝鮮など地政学リスクは高まるばかり。キッカケは何にせよ、相場の最大の要因は「需給」。未曾有に溢れ出ているマネーの流れが変われば、金融市場が混乱を来たすのは避けられず、そして悪材料が次々と追いかけてくる。

◆市場がリスクオフに傾けば「サブプライムショックの再演」を否定することはできず、日経平均は週足N波1万5967円、年初からの2割下げである1万5200円などが否定できない状況だ。流れに従うこと、そして時を待つのも相場である。

(1月7日 記、毎週土曜日9時に更新)

情報提供:富田隆弥のチャートクラブ

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