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【市況】富田隆弥の【CHART CLUB】 「節分高、彼岸底」

株式評論家 富田隆弥

日経平均は2月4日に一時1万6941円まで下げ、引けは146円安の1万7044円と3日続落した(本稿執筆は2月4日)。マイナス金利の黒田サプライズもわずか3日で帳消しである。1月21日安値1万6017円から戻してきたが、チャートは2月1日高値1万7905円でアヤ戻りが一巡、「節分」の週に頭打ちとなり、1月21日安値から引く下値抵抗線を再び割り込んでしまった。

NYダウは1月20安値から日足9本目の変化日2月1日に高値1万6510ドルを付けたが、2月3日は1万5960ドルまで下落。日足は25日線で戻りの頭を叩き、そこで「宵の明星」となり、1月21日安値から引く下値抵抗線を割り込みかけている。つまり、日米とも年初からの下落基調がまだ治まらず、日足二段下げとなり再び下値模索、そして「彼岸底」に向かうというリスクを帯びたままである。

◆昨年からこの新春にかけての流れは、すでにお伝えした通り「95年、08年」に非常によく似ている。時代背景は変われど、貪欲な市場のマネーの動きは昔も今も変わらない。長らく続いた上昇により「強気派、楽観論」が大勢を占めていたが、基調が崩れたことで「下がるから売る、売るから下がる」という需給悪を徐々に強めていく。それが相場の宿命であり、チャートが歴史を繰り返す理由である。ならば、95年、08年のパターンである「1月急落→1月下旬安値→節分高→彼岸底」という流れが今年も繰り返されることをイメージしておくべきだろう。普通の調整局面ではないことを認識しておかねばならない。

◆原油や資源、為替、債券など取り巻く市場がいずれも今年は波乱に陥り、そして企業業績も雲行きが怪しくなってきた。市場がグローバル化しており、未曾有に溢れ出た貪欲マネーが慌てふためいている。そして、「材料はあとからついてくる」の如く、隠れていた悪材料、懸念要因が表面化してくる。

◆いずれにせよ、需給が最大の要因。買い方「総ヤラレ」であるから、流れ(トレンド)が好転の兆しを見せるまで楽観許されず。

(2月4日 記、毎週土曜日10時に更新)

情報提供:富田隆弥のチャートクラブ

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