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【特集】TOKAI Research Memo(1):主要事業すべてで1Q増益発進、極めて順調な滑り出し

TOKAI <日足> 「株探」多機能チャートより

TOKAIホールディングス<3167>は、静岡県を地盤にLPガスを中心とした「エネルギー・住生活関連事業」と「情報通信事業」を展開する。「Total Life Concierge」(暮らしの総合サービス)構想を掲げ、2015年3月期よりスタートした中期経営計画(3ヶ年計画)「Innovation Plan 2016“Growing”」では事業収益力強化に取り組み、ほぼ当初の目標を達成する見込みとなっている。次期中期経営計画では、「成長戦略の実行」をテーマに掲げており、グループのシナジーを更に高めていくことで成長スピードを加速していく考えだ。

8月5日付で発表された2017年3月期第1四半期(2016年4月?6月)の連結業績は、売上高で前年同期比2.5%減の41,618百万円、営業利益で同68.0%増の2,870百万円となった。売上高は前期に実施したLPガスの販売価格値下げの影響で減収となったものの、利益面では光コラボ※やアクア事業を中心に主要事業がすべて増益となり、期初計画を5億円ほど上回るものと見られる。2016年6月末のグループ顧客件数は2,557千件と前年同期比で21千件の増加となった。ブロードバンド事業は従来型ISP等の契約数減少が響いて同14千件減少したが、CATVやガス、アクア事業の増加でカバーした。

※NTTの光回線卸と同社のISPサービスをセットにした「@T COMヒカリ」「TNC ヒカリ」サービスを指し、2015年3月より開始している。

2017年3月期の業績は売上高が前期比3.4%増の187,100百万円、営業利益が同52.3%増の12,560百万円と期初計画を据え置いている。前期比で43億円の増益となるが、このうち光コラボ関連で22.8億円、アクア事業で11.3億円の損益改善となり、また、のれん償却額が8億円減少することも増益要因となる。グループ顧客件数はCATV、ガス事業を中心に前期末比46.6千件増の2,604千件を見込んでいる。第1四半期は前期末比で横ばい水準にとどまったが、LPガスの営業エリアを三重県・岐阜県まで拡大していくほか、光コラボを中心に顧客獲得コストを積み増すことで、顧客件数の拡大を進めていく計画だ。

株主還元では、配当性向40%を目途に2017年3月期も1株当たり配当金を前期比8.0円増の22.0円へ大幅増配するほか、資本効率の向上を目的とした自社株買いも引き続き検討していく。また、株主優待としては3月末、9月末に100株以上保有している株主に対して1,900円相当のアクア商品(うるのん「富士の天然水さらり」等)、500円相当のQUOカード、1,000円相当のお食事券、1,000円相当の「TLC会員サービス」のポイントのいずれかを贈呈している。株主優待も含めた単元当たり総投資利回りを現在の株価水準(8月15日終値616円)で試算すると5?10%となる(株主優待をQUOカード、またはアクア商品で選択した場合)。

■Check Point
・情報・通信が売上高の伸びをけん引、全セグメント利益が大幅増
・通期は増収・大幅増益、過去最高益の更新を見込む
・中期経営計画は概ね順調に推移、次期計画の策定をスタート

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《HN》

 提供:フィスコ

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