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2016年09月05日19時00分

【特集】清水三津雄氏【日経平均、1万7000円台回復! 上値追いの行方】(1) <相場観特集>

清水三津雄氏(日本アジア証券 エクイティ・ストラテジスト)

―米9月利上げは? 市場シナリオを徹底検証―

 5日の東京株式市場は、日経平均株価終値が、前週末比111円95銭高の1万7037円63銭と反発。終値では5月31日以来約3ヵ月ぶりに1万7000円台を回復した。前週末2日に発表された米8月雇用統計の内容が市場想定を下回り、9月の米追加利上げが遠退いたとの受け止めが広がったものの、予想に反して外国為替市場で円高・ドル安が進行しなかったことが買い安心感につながったようだ。3ヵ月ぶりに1万7000円台を回復した東京株式市場の今後の展開について、第一線の市場関係者に聞いた。

●「1万8000円視野、景気敏感株中心に上昇へ」

清水三津雄氏(日本アジア証券 エクイティ・ストラテジスト)

 日経平均株価は、今後1ヵ月程度の10月中旬まででは、1万8000円を視野に入れた展開を予想する。

 9月下旬の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げはあり得ると思う。米8月雇用統計は、非農業部門雇用者数は市場予想に達しなかったが、もともと8月は季節的に雇用の数字は強く出にくい時期であり、3ヵ月移動平均では20万人を超す雇用者数の増加となっている。

 また、同じく9月下旬開催の日銀金融政策決定会合で、黒田日銀総裁は金融緩和策の「総括的な検証」を行うことを表明しているが、この検証では「金融緩和の限界を否定する」ことになるだろう。金融緩和を一段と推し進める方向が打ち出され、同会合で場合によっては追加緩和もあり得ると思う。

 米国はたとえ9月は行わなくても少なくとも年内1回の利上げは実施するだろう。その一方、日本は異次元緩和を続ける。結果として、 為替も1ドル=105円を意識する円安が見込める。

 こうしたなか、為替の円安を意識したうえで、株式市場の物色はこれまで物色の圏外に放置されてきた、景気敏感株が優位の展開となるとみている。

 具体的には円安効果が見込める自動車株では、トヨタ自動車 <7203> 、富士重工業 <7270> 、ホンダ <7267> などが買われそうだ。機械株では、コマツ <6301> や日立建機 <6305> といった建機関連株に再評価機運が出ている。ファナック <6954> やダイフク <6383> にも投資妙味がありそうだ。電機セクターではソニー <6758> の動向に注目している。

 また、日銀のマイナス金利政策が嫌気された銀行株は売られ過ぎの水準にあり、見直し余地が膨らんでいる。

(聞き手・岡里英幸)

<プロフィール>(しみず・みつお)
1987年コスモ証券(現、岩井コスモ証券)入社。リテール・ホールセール営業、国内外の株式ディーラー・トレーダーを歴任し、投資調査部副部長。2014年11月日本アジア証券入社、現職。歯切れの良さと分かりやすい説明に加え、ピンポイントの銘柄分析に定評がある。「ラジオNIKKEI」「日経CNBC」「ストックボイス」にレギュラー出演。

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