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4304 Eストアー

東証S
1,320円
前日比
+2
+0.15%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
2.16 208
時価総額 80.9億円
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決算発表予定日

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Eストアー Research Memo(2):7年ごとに注力事業を変遷させ、収益基盤と顧客基盤を着実に強化


■事業の概要

1. 沿革と注力事業の変遷
Eストアー<4304>は1999年に設立されたのち、大まかに7年ごとにその注力事業を変遷させてきている。設立当初の7年はEC支援システムを構築して顧客基盤を拡大し、ストック収入による経営基盤の確立に注力した。次の7年間はASPサービスを提供する既存顧客を対象に、販売促進・売上高拡大のための支援を提供し、同社は売上高拡大に応じたフロウ収入を上乗せすることに注力した。2012年頃から現在までは、販促支援を販促コンサルティング・業務運営代行の事業に発展させ、新規顧客の獲得に取り組んでいる。以下ではそれぞれのステージごとに詳述する。

(1) 1999年~2006年
同社の事業は当初はショッピングカートサービスからスタートした。その後サイトを開設するうえで必要なレンタルサーバーの提供など、ECを行ううえで必要なサービスを逐次追加し、2006年のECを総合的に支援する『ショップサーブ』の提供で、EC支援システムとして現行のサービス体系が完成した。ショップサーブは店舗のWebサイト、ドメイン、メール、決済、受注・顧客の管理などが1つになったASPサービスで、その収益モデルは顧客からASPサービスの利用料を月ぎめで徴収するもので、タイプとしてはいわゆるストック型モデルと言われるものだ。ストック収入は経営基盤を安定させるためには非常に有効であり、顧客ベースが多いほど収入も増大する。同社は様々な企業と業務提携を行いEC支援システムの契約獲得を進めた。

(2) 2006年~2012年
こうしたASPサービスの提供によるEC支援システム事業(同社のセグメント名は“システム事業”)は設立当初の数年間の同社の成長を支え、今も顧客のベースを作る重要な事業であるが、同時にまた、参入企業が多く競争が激しいため、レッドオーシャン市場となることが予見されていた。経営上もシステム投資に要する費用と個々の顧客からの収入のバランスが悪いケースも数多く存在した。これは過去の業務提携で獲得した顧客(同社内でOEM契約と呼称するもの)が該当した。同社はシステム事業のこうした問題点に対して早期に対応し、システム構築が一段落した後は顧客企業の売上高拡大を支援し、顧客から決済代行手数料などの名目で(Eストアーのショップサーブ上の店舗サイトを経由した)売上高の一定割合を徴収する収入の拡大に乗り出した。これはシステム事業における同じ顧客からの収益ではあるが、ストック型のシステムの月次利用料とは性格が異なる。同社は売上高に応じて変動する性格に着目しこの収入をフロウ型収入として、ストック収入とは分けて管理してきた。

(3) 2012年~現在
既存顧客の売上高は順調に拡大し、同社の売上高に占めるフロウ収入の構成比も順調に伸長している。そうしたなか同社は、更なる収益拡大を目指して、顧客の売上高増大をもたらす販促支援のノウハウを、もっと幅広い顧客層に販売すべく、新たに「マーケティング事業」を立ち上げた。マーケティング事業のポイントは、1)販促支援のノウハウや施策を“商品化”し、コンサルティングや業務運営代行に伴うフィーを得るようにしたことと、2)このサービスを既存客以外にも外販することにしたこと、の2つだ。マーケティング事業の内容は、コンサルティング・業務運営代行を行う「販促事業」と、ECショッピングモール『PARK』を運営する「メディア事業」の2つがある。このうち、販促事業は同社が最も注力する事業領域であり、現在では、(狭義の)マーケティング事業へと名を変えている。一方、メディア事業についてはAmazonなど強力なライバルが存在することや一定の目的を果たしことから非注力事業と位置付けている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)

《TN》

 提供:フィスコ
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