【市況】【植木靖男の相場展望】 ─ 内需関連株にも物色広がる
株式評論家 植木靖男
「内需関連株にも物色広がる」
●相場の風向き変わる、評価すべき短期上昇
市場は一変した。日経平均株価はは急上昇し、ここ8日間でその上げ幅は1000円以上も騰げた。しかも、この間、窓を開けて上昇したのは5日間に及ぶ。
まさに惨禍をもたらした台風が去り、晴天が戻ったようなもの。これまでの商状が痛々しかっただけに、目が覚めるような印象である。燎原の火の如しの観がある。
なにか大きな好材料が出現したかといえば、あまり記憶にない。いわゆるつかみどころのない相場の風の向きが変わっただけといえよう。これは相場風であり、相場の神様のいたずらと昔から解されている。
さて、今後はどういう展開をみせるのか。これだけ急上昇すると、投資家の中には、これは騰がり過ぎ、この辺が限界である。よってカラ売りをしたい、との声が聞こえてくる。
ここ半年近くに及ぶ下落、もみ合い相場の残像が色濃く頭にあるからであろう。だが今は、これだけ短期間に大きく上昇したことを高く評価する方が正解ではないか。
つまり、相場はまだ若いのである。仮に強風が吹いたとしても、幹が倒れることはない。
●適温相場下の“バブル”は続く
とはいえ、相場に騰落はつきもの。目先小さいながらも調整に入るとすれば、9月25日、26日と連続して下げた場合だ。数百円規模の反落はあってもおかしくはない。ただし、大勢は不変であろう。
推測すれば、本年4月を上昇の起点とすれば、信用期限の6ヵ月後が10月第3週、また9月安値から均衡表の1期はこれまた10月第3週。さらに、重要な変化日である安値からの108日目は9月21日だ。直近は3週間ほど延長されることが多い。となると、やはり10月中旬辺り。
いずれにしても、今年の10月は九星気学では九紫火星であり、株式を象意とする月だ。では、市場環境はどうか。
欧米先進国はもちろん新興国も含め世界的な株高現象をみせている。ミニバブル現象かもしれない。米国中心に低金利かつ景気拡大局面という株価にとって願ってもない適温相場が持続。それがもたらすバブル現象は暫く続くと見ざるを得ない。
さて、物色対象はどうか。これまで好業績の輸出ハイテク株から、ここへきて資源株、不動産株などにも広がってきた。物色が行き詰まってきたことに対する苦肉の策ではなく、自然発生的な循環買いの一環であろう。
もちろん、世界景気拡大を背景とした輸出ハイテク株は一休養すれば出直ること必至であるが、当面は大きく売られた金融、不動産、資源など内需関連株が人気を集めそうだ。
ともあれ、三菱重工業 <7011> 、パナソニック <6752> 、第一生命ホールディングス <8750> 、三菱電機 <6503> など、わが国の産業界を代表する大型優良株が6連騰、7連騰をみせることは昨今みられなかった現象である。これを投資家はどう判断するのであろうか。
2017年9月22日 記
株探ニュース