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【市況】来週の相場で注目すべき3つのポイント:衆院解散、金利先高観、北朝鮮情勢

日経平均 <日足> 「株探」多機能チャートより

■株式相場見通し

予想レンジ:上限20600-下限2000円

来週は北朝鮮情勢を警戒しつつ、政策期待が高まる相場展開が期待される。北朝鮮情勢については、トランプ米大統領による国連総会での発言を受け、週末には北朝鮮外相が、金正恩朝鮮労働党委員長が声明で慎重に考慮するとした「超強硬対応措置」について、太平洋上での水爆実験ではないかと述べたと伝わった。海外勢は比較的冷静に対応しているとみられ、相場全体としては落ち着きがみられているが、売りを誘うような発言に対して中小型株などは敏感に反応しやすく、北朝鮮情勢を睨みながらの手掛けづらさがありそうだ。

一方で、安倍首相が28日召集の臨時国会で早期解散に踏み切り、衆院選を10月22日投開票で実施する方針を固めたと各メディアが伝えている。解散総選挙では政策期待が高まり、株価は上昇するとの見方がされるが、一方で与党の苦戦が囁かれる中、ネガティブサプライズを警戒する向きも大勢だ。とはいえ、自民党の第一党は変わらないと考えられ、アベノミクスが加速するとの期待感からの上昇が意識されよう。日経平均は直近の上昇でもち合いが続いていた20000-20200円のレンジを突破し、需給状況は良好である。

短期的には過熱感が警戒されやすいものの、それでも先進国での相対的な出遅れ感は依然として強く、海外勢による押し目買い意欲は強い。また、金融セクターなどへの見直しが強まってきたことも、センチメントを明るくさせそうだ。一方で、先週は鉄鋼セクターの弱さが目立っていた。8月の粗鋼生産量が4カ月連続で減少したほか、アルセロール・ミタルやUSスチールなど海外の鉄鋼株が弱い値動き。さらに、中国での鉄鋼需要の伸び悩みを懸念する売りが強まったようである。米格付け会社S&Pは先週、力強い信用拡大が長期間続き、中国の経済・金融リスクが高まったとの評価から、中国を1段階格下げしており、中国関連の動向には注意が必要。

全体としては、北朝鮮情勢次第では緊張の高まりから利益確定に向かわせる可能性が高いものの、これを警戒しつつ、調整局面においての物色意欲は強まろう。その他、利食い局面においては、IPO銘柄に資金が向かいやすいとみられる。


■為替市場見通し

来週のドル・円はもみ合う展開か。米FRBは19-20日開催のFOMC会合で現行の金融政策を維持した。一方、10月にバランスシートの縮小を開始すること決定し、金利正常化の方針を堅持した。年内追加利上げの可能性も高まっていることから、金利先高観を背景にリスク選好的なドル買いは継続するとみられる。
25日にも発表される見込みのトランプ政権の税制改正案には、具体的な法人税率や企業の利益控除などが盛り込まれる見通し。法人減税について共和党内では困難との見方もあるが、税制改正の実現性がさらに高まることから、株高を期待してドル買いが強まりそうだ。
ただし、北朝鮮は米国に対し、経済制裁などをめぐり反発を強めている。東アジア情勢の不安定化に対する警戒感は再び高まっていることから、リスク選好的な円売りが大きく広がる可能性は低いとみられる。


■来週の注目スケジュール

9月25日(月):日銀総裁講演、独IFO景況感指数、ドラギECB総裁証言など
9月26日(火):米新築住宅販売件数、米消費者信頼感指数、イエレンFRB議長講演など
9月27日(水):中工業利益、米耐久財受注、米中古住宅販売成約指数など
9月28日(木):ユーロ圏景況感指数、独消費者物価指数、米4-6月GDP確定値など
9月29日(金):失業率、鉱工業生産指数、中財新製造業PMIなど
9月30日(土):中製造業PMIなど

《TM》

 提供:フィスコ

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