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【市況】【北浜流一郎のズバリ株先見!】 ─ 秋晴れ相場、黄金の3ヵ月直前に目先警戒も

株式アドバイザー 北浜流一郎

「●「三空踏み上げ」のリスクも目配り

 日経平均株価が年初来高値を更新、まさに秋晴れ相場だ。私は「9月は株の仕込み期」と繰り返してきたが、それは10月から12月にかけての「秋&年末高」を想定してのことだ。

 その意味では、上昇ピッチの速さに正直困惑している。10月から12月にかけての「黄金の3ヵ月」で徐々に上昇すべき分を先取りで上がってしまったのではないか、こんな心配があるからだ。

 それに日経平均のチャート(日足)には、これまた気にせざるを得ない現象が見られるようになっている。

 日経平均の日足チャートが、「三空」と呼ばれる形になっているのだ。「三空」にも各種あり、毎日連続して株価が前日の終値より距離(窓を空ける形)を置いて、つまり昨日500円で終わっていたら今日は550円で始まるという具合に上がる。これが3日連続する。

 この形が一般的だが、その変形ともいうべきものとして、数日(1~3日)の間隔を置いて上昇する。つまり、数日前に500円だったものが550円に上がり、1~3日ほど500円前後で推移したあと、その後また急騰して600円前後に上がり、そこでまた数日保ち合ったり、小幅に上下したあと、また急騰して今度は一気に650円を突破する、こんな動きになる。

 どちらも「三空」になるが、前者になった場合、株式用語で「三空踏み上げに売り向かえ」という格言があり、その後急落が起きてしまう確率が高くなる。

 現在は後者に近い形の「三空」になっているため、必ずしも「三空踏み上げ」になるものではないものの、警戒が必要なことに変わりはない。

 一時対ドルで112円台まで下げた円が、111円台に戻りつつあることも注視が必要だ。

●為替リスク回避を念頭に銘柄選別を

 米FRBが20日の連邦公開市場委員会(FOMC)で、2008年のリーマン・ショック後の金融危機対応として買い入れた国債などの保有資産の縮小を10月に開始することを決めたのは、もちろんドル高・円安要因である。

 しかし、為替市場はすぐにそれを織り込んでしまい、円を買い戻してしまう恐れがある。このような状況で注目できる銘柄は、引き続き為替変動の影響を受けにくい銘柄になる。

 まずは地質調査に強い応用地質 <9755> だ。突然災害が多発している時代だけに、この会社の活躍余地は大きい。

 明らかに高値圏ながら、ザ・パック <3950> も続伸力が強いと見てよい。専門店向け買い物バックの需要好調に加え、年末に向けて百貨店向けも今後、需要増必至だ。

 電気工事業界はどこも現在繁忙状態にある。そのため、関連株は総じて強くなっているが、その中で中電工 <1941> に注目だ。中部電力系であり、中部地域だけでなく東京など首都圏に展開、好収益を維持している点を評価したい。

 ビールの季節は終わったが、チューハイの好調が続くキリンホールディングス <2503> も高値圏ながら小反落場面は見逃さないようにしたい。

 為替の影響は受けるものの、材料の強さから期待が持てるのがアルバック <6728> だ。有機EL製造装置の需要増を考えれば、株価はさらなる高値が見込める。

 このところ大きく売り込まれてしまっている銘柄にも目を向けておこう。アウトソーシング <2427> 、トラスト・テック <2154> など人材派遣関連株が魅力的だ。

 最後に新興銘柄を。山田コンサルティンググループ <4792> [JQ]に注目だ。

2017年9月22日 記

株探ニュース

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