【特集】【今週読まれた記事】売られ過ぎ銘柄増加中―割安、あまりにも割安な
日経平均 <日足> 「株探」多機能チャートより
日経平均株価は5週続落。3月半ば以降の株価推移は、はっきりとした下落トレンドを描いています。国際情勢の悪化やトランプ米大統領の経済政策への期待後退など、調整の理由はさまざまに語られますが、いずれにせよクライマックス的な売り場のないダラダラとした下げは、下落の中でもたちの悪いものと言えるでしょう。果たしてこの下落は、一過性のものなのか長く厳しい調整の始まりなのか。「トランプラリーはまだ終わらない」と言うのは武者陵司氏。経済状況は「米国はもとより欧州、日本、中国と軒並み大きく好転」、企業業績の向上は著しく、「好業績に支えられて世界的な投資ブームが起こりそうな気配が濃厚」と強気です。相場観特集は「ファンダ良好・国際情勢不安の行く末は?」。ブーケ・ド・フルーレット・馬渕治好氏は「株価チャート面での味の悪さが全体相場の重荷となっているが、ファンダメンタルズから判断した場合、日米ともに実態は良好であり、早晩改めて上値余地が意識される展開になる」と予想。SBI証券・鈴木英之氏は「政治リスクも考慮し当面は様子見姿勢が強まる」としながらも、「欧州や中国などの景気環境は悪くなく、ファンダメンタルズは良好」と指摘。内藤証券・田部井美彦氏も「地政学リスクは予断を許さない状態が続いており、こうした問題がある程度沈静化するまでは、波乱含みの相場を覚悟」と分析。ファンダメンタルズは良好ながら、国際情勢不安という予想だにしなかった要因によってマーケットが悲観に染まっているのが市場関係者の多くが共通して示す見方になっています。
ファンダメンタルズが良好であれば、株価はいずれ下げ止まり上昇に転じるというのが常識的な見方。もっとも相場には買われ過ぎと売られ過ぎがつきもので、現在は売られ過ぎ銘柄が増えていく局面ということになるでしょう。株探においでくださる読者の皆様は、幾たびもの下げ相場と上げ相場をくぐり抜けてきた投資経験豊富な方々が多く、虎視眈々と思わぬ安値で銘柄を仕込めるチャンスを狙っているようです。今週、アクセスランキング1位に輝いたのは「究極の逆張り候補『10銘柄』、嵐去りし後“鮮烈リバウンド” <株探トップ特集>」。「全体相場に流され、短期的にファンダメンタルズ無視で売り込まれた銘柄を逆張り対象として狙う」投資作戦を紹介し、多くの方に読まれました。ランキング2位は「【北浜流一郎のズバリ株先見!】 ─ 売りに沈んだ“お宝”を掘り起こす!」。やはり「売り込まれた銘柄の中で有望度の高いそれを買い戻す」作戦を提唱し支持を集めました。
売られ過ぎ銘柄を見つけるという観点では、配当利回りに注視した記事も参考になるでしょう。「【高配当利回り株】ベスト50 <割安株特集> (4月7日現在)」は東証1部、「【高配当利回り銘柄】ベスト30 <割安株特集> 4月12日版」は東証全銘柄、「注目が高まる【REIT】高利回りベスト30 <割安株特集> 4月12日版」はREITをそれぞれ対象にアクセスを集めました。全体相場の低迷とともに再びまた高配当利回り銘柄が増加中ですが、配当が下値抵抗力となることは言うまでもありません。
少額投資シリーズで人気を集めた「3万円以下で買える、低PER・低PBR 『お宝候補』22社選出 <割安株特集>」もまた、下値抵抗力の強い、あるいは売られ過ぎ有望株の格好のリストと言えるでしょう。いかな割安株でも、PER、PBRの低下には限界があります。その上を行く極端な割安銘柄の宝庫かもしれないのは「発表迫る、低PERの17年3月期『上方修正』期待リスト <業績修正特集>」の 〔第1弾〕 、 〔第2弾〕 。現時点で既に低PERであるにも関わらず、さらに上方修正が行われた場合、PERは今以上に切り下がることになります。
「円高リスク少ない内需株、【青天井】押し目候補リスト〔第1弾〕<成長株特集>」は内需セクターの最高益銘柄を紹介し人気でした。為替のドル安・円高トレンドが続いており、この観点で有望な銘柄を探すならこの記事となるでしょう。「萎え萎え東京市場、見逃された『好業績予想』株を拾う <株探トップ特集>」は18年2月期に大幅経常増益予想を発表した銘柄を紹介。全体相場が調整中に決算発表を行った銘柄は、増収増益見通しを発表しても見逃されることがしばしばあります。こちらで紹介した増益予想銘柄は、この上なく分かりやすいお宝銘柄になるかもしれません。
投資テーマを軸にした特集記事では、「国際情勢緊迫で再注目、『監視カメラ』関連株に“熱視線” <株探トップ特集>」、「マイナンバー連携延期の裏にセキュリティ問題、浮かび上がる関連株 <株探トップ特集>」がよく読まれ、監視カメラやセキュリティなど、図らずも不穏な情勢がどこか影響したような記事が並びました。株探トップ特集では前週配信の「揺れるマーケット、“北朝鮮+シリア”地政学リスク二重奏の行方 <株探トップ特集>」が今週も引き続きアクセスを伸ばしました。
連載を再開した「富田隆弥の【CHART CLUB】 『日米とも陰転している』」は「強気になるのは日足の好転を確認するか、思い切った突っ込みを待たねばなりません」と冷静な見方。富田隆弥氏は2015年夏から翌年にかけての下落相場、2016年夏からの上昇と、この2年の大きな流れを節目節目でことごとく的中させてきただけに心に留めておきたいところです。「【植木靖男の相場展望】 ─局面好転のカギ握る米長期金利」は「事と次第では1万7000円台後半もあり得る」と日経平均の下値メドを予想。「くれぐれも注意すべきは、『もう大丈夫!』と早合点して買い逸ること」とアドバイスしています。
株探ニュース