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【特集】【北浜流一郎のズバリ株先見!】 ─ 選別の鍵は「地政学リスク=円高」への抵抗力!

株式アドバイザー 北浜流一郎

●日本株最大の変動要因はドル円

 問題の4月15日が過ぎた。キム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党委員長の祖父、キム・イルソン(金日成)主席の生誕105年を記念する催事に北朝鮮が核実験を行ったり、日本に向けてミサイルを打ち込むなど、攻撃を加えるのではないか。日経平均株価はこんな懸念から下落の一途、年初来安値の更新も続いた。

 その間、理解し難い動きが見られたのは韓国市場。北朝鮮が日米に対して攻撃を加えるなら、韓国も無事ではいられないはずなのに、同国の株式市場は下がらないどころか、12日、13日の両日は小幅ながら上昇した(この原稿を書いている時点では14日の結果はまだ不明)。

 北朝鮮問題に詳しい知人によると、「北朝鮮にとって隣国韓国は同胞。滅多なことでは攻撃しないが、日本には同胞が少ない。簡単に攻撃に踏み切れるからですよ」とのことだが、それにしても韓国市場が健在なのに、東京市場は下落が止まらなかった。

 これは正直説明がつきにくく、今回の下落の真因は果たして北朝鮮リスクだったのかということになる。昔なら、「有事のドル高」だったのだが、いまは「有事のドル安」になっており、これが最大の要因と見るのが正しいだろう。

 米国のシリア爆撃で世界はイラク戦争を想起したのは疑いない。そして、強く懸念されたのは米ロ関係の悪化である。シリア攻撃に対してロシアが不快感を示すたびにドルは売られた。これは両国関係のさらなる悪化がなんとか維持されている世界平和の均衡を崩す恐れがあると、市場が懸念した結果と見てよい。

 このような見方から導き出されるのは、改めて強調するまでもなく、対ドルでの円の動向。これが相変わらず東京市場最大、かつ最重要の変動要因。こういうことになるため、今後もこれまで以上にドル円の推移を注意深くウォッチングする必要がある。

 要するにドルが下がれば日本株も下げ、ドルが上がれば日本株も上がる。この単純原理が常に作用し続けることで、東京市場全体は今後も不安定な動きを続けてしまう恐れがある。

●時間かけても堅実な上昇を望むのなら

 このような状況での投資は、中東・東アジアの地政学リスクが震源となるドル円相場と関係性の薄い銘柄に投資しておく。これを心がけたい。

 そこで注目はまずはコシダカホールディングス <2157> だ。「カラオケ本舗まねきねこ」の運営で知られるが、新たに収益の柱に育っているのが女性専用フィットネスクラブ「カーブス」。これが今後も伸びると見てよく、株も魅力的だ。北朝鮮リスクとの関係はほとんどないと見てよい。

 ジャガイモ不足により人気商品の製造中止を余儀なくされているカルビー <2229> や湖池屋 <2226> [JQ]もこの軟調局面で拾っておくのが良策になる。商品が売れなくて発売中止するのではない。昨年の台風の影響で材料が足りないというのだから、株価はやがて見直される確率が高い。それにポテトチップの需要動向も中東・東アジア、特に北朝鮮リスクとはこれまた無関係だ。

 当然、少々の逆風は押し退けるパワーを持っている企業も有望度は高い。私の好きなTOKYO BASE <3415> もそんな銘柄の一つになる。多くのファッション系セレクトショップが海外ブランドの導入に必死になっているのに対し、この会社は国内ブランドに特化、しかも自社ブランドである「UNITED TOKYO」を世界ブランドに育てようと意気込んでいる。これは好感が持てる。株も当然期待が持てる。

 時間をかけてもよいので、堅実に上昇する銘柄はないか。こんな希望に応えてくれるのが日本マクドナルドホールディングス <2702> [JQ]になる。この株、上昇確率は高いのだが、ともかく動きがスローで持ち続けるのが意外に困難だ。しかし、ゆっくりでも上がってくれるならOK。こんな投資がご希望なら願望が実現する確率は高い。

 そして最後は、これまでにも取り上げたことがある半導体ウエハ需要が絶好調なSUMCO <3436> だ。

2017年4月14日 記



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