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【市況】富田隆弥の【CHART CLUB】 「日米とも陰転している」

株式評論家 富田隆弥

◆ご無沙汰しました。まず私ごとですが、12月に直腸がんが見つかり、しばらく休養させてもらいました。ただ、がんは初期のもので内視鏡ESD手術(4泊5日)により完治することができました。メスを入れることなく、投薬も放射線治療も必要なく、次の検査は1年後。早期発見できたことや近くに優良病院(静岡がんセンター)があったことはまさに奇跡で、これも皆様からのご支援の賜物と感謝しております。本当にありがとうございました。

◆そしてこの度、仕事を再開したところです。マーケットは4月新年度入りですが、自分はなんですかピカピカの1年生、新学期を迎えたような気分です。心新たに頑張りますので、よろしくお願いいたします。

◆さて休養の間、マーケットを遠くから眺めて感じていたことは「トランプ相場の余韻がずいぶん続いているなぁ」ということでした。トランプになるとヤバイ、大波乱になると言われたあの大統領選(16年11月9日)から間もなく半年を迎えます。NYダウ平均が2万ドル大台へ大きく躍進したことで、ヤバイという観測もどこへやら、いま市場関係者の多くは「良いとこ取り」「トランプ期待」で強気観測を唱えています。ただ、日米とも大きく上げた背景にはショートカバー(買い戻し)をキッカケに、「上がるから買う、買うから上がる」という需給があったのではないでしょうか。そして、こうした展開は民主党から自民党に転じたときの安倍相場初期(12年12月~13年5月)と似ているように感じます。

◆4月は新年度入りとして年金や外国人のニューマネー流入観測から期待を抱きやすいところですが、4月のカレンダーは「3日新甫」で、5月になれば「セル・イン・メイ(5月に株を売れ!)」、そしてトランプ相場は6ヵ月を迎え、調整しやすいタイミングであることは否めないでしょう。世界マーケットの屋台骨であるNYダウは3月1日2万1169ドル高値を付けましたが、その後はジリ貧となり25日移動平均線や下値抵抗線を割り込むなどチャートに陰りが見られ、週足RCIもW(ダブル)のピークアウトをにじませています。また、株にとって最大の敵である「金利上昇」も無視できないでしょう。

◆日本株は日経平均が4月6日1万8532円まで下げ、日足の騰落レシオやRCIが底値圏に近づき、そろそろ反発を見せてもおかしくないところです。ただし、強気になるのは日足の好転を確認するか、思い切った突っ込みを待たねばなりません。また、米国抜きに語れないのは言うまでもなく、NYダウの動向から目が離せないでしょう。結論として買い疲れ感の漂ういま、ここは冷静に見ておく必要があると見ています。

◆ほかにもチャート的に感ずることはありますが、それは次週以降に紹介して行くつもりです。再開したコメントが強気観測でなく申し訳ないのですが、感ずることを正直に語るのが身上なのでお許しください。

(4月6日 記、毎週土曜日10時に更新)

情報提供:富田隆弥のブログ チャートクラブ

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