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【経済】中国:資本流出抑制で海外向け元建て融資引き締め、金輸入も制限か


人民元が対米ドルで約8年ぶりの安値水準を付けるなか、中国当局は国内からの資本流出に警戒感を強めている。ロイター報道などによると、中国人民銀行(中央銀行)は1日、企業が海外向けに元建て融資を行う際の条件を明確に規定し、融資額に制限を設ける方針を通達した。また、フィナンシャルタイムズによれば、中国政府は現在、金の輸入を制限している可能性があるという。人民元の先安不安が強く、足元で金相場が下落する中で、中国人投資家による金の購入意欲が高まっていることが背景にある。
ロイターが消息筋情報として伝えたところによると、人民銀は域内企業が決済銀行を通じて海外向けに元建て融資を行う際の条件として、貸し手が設立1年以上の法人であること、借り手と資本関係があることなどを求めている。また、融資を行う際には、決済銀行が外貨当局に届け出を行う必要があるという。具体的な上限は明らかでないが、融資額にも制限が設けられるようだ。
一方のフィナンシャルタイムズは、中国で最近、金の輸入許可が下りにくくなっていると報じた。金相場が下落しているタイミングをつかみ、投機的な売買を行う投資家が増えているためとみられている。
中国政府は足元で、資本流出を防ぐための対策を強化中。直近では、商務部などが対外直接投資の審査基準を厳格化したとの情報も伝わった。審査が必要な海外送金の規模について、従来の「5000万米ドル以上」から「500万米ドル以上」に大きく引き下げたと伝わっている。

【亜州IR】

《ZN》

 提供:フィスコ

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