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2016年12月01日20時00分

【特集】ラニーニャ現象で「積雪増加」予想、今冬注目の“厳冬関連銘柄”は <株探トップ特集>

コロナ <日足> 「株探」多機能チャートより

―東京54年ぶり11月の降雪、暖房器具は前年上回る初動に―

 きょうから師走。東京では11月としては54年ぶりに降雪を観測し、1875年からとなる観測史上、初の積雪といった寒波が押し寄せた。気象庁は、ラニーニャ現象が発生し、冬にかけてこれが続く可能性が高いと発表。各所で真冬の寒さや積雪が例年より多くなりそうだとの指摘が上がっており、厳冬への対策関連銘柄に注目したい。

●暖房製品をそろえて防寒対策を万全に

 気象庁が発表した最新の全国1ヵ月予報(12月3日から1月2日)によると、気温は平年並みの傾向だが、曇りや雪、または雨の日は例年に比べて多い地域があり、冬物商品の需要拡大が見込まれそうだ。暖房機器大手のコロナ <5909> は12月1日まで連日で年初来高値を更新している。東京都心を中心に急激に気温が下がったことなどから、同社製品の需要拡大に思惑が広がっているようだ。同社の前期の販売台数は暖冬の影響により約203万台とその前の期を下回ったが、今期は220万台と増加を予測している。また、上期・通期ともに業績の上方修正を発表しており、業績拡大も期待できそうだ。

 一方、ダイニチ工業 <5951> は厳冬による大幅な販売数増加について冷静だ。「10月・11月をトータルとした暖房機器の売り上げは前年同期を上回った。期初計画は増収増益を見込んでおり、もともと増産は織り込み済み。1ヵ月予報も注視していきたい」と同社広報担当者は話す。他にも暖房器具関連ではリンナイ <5947> や山善 <8051> などの動向も注目したい。

●公共交通機関ストップ、そのときに

 雪国で暮らす人たちからは呆れられているかもしれないが、都心で雪が降ると鉄道などの交通機関にすぐさま影響が出る。先日の降雪でも首都圏各地で電車の遅れが発生し、乗車しきれない乗客がホームに溢れてしまうといった事態が起きた。こうしたことを受けて、事前の情報収集に対する需要拡大も考えられそうだ。明星電気 <6709> [東証2]は、個人向けに気象観測・情報提供サービス「POTEKA」を運営。さまざまな場所に設置された小型気象計と、それらを結ぶネットワークで構成されている。実測値を蓄積したデータベースをもとに気象変化のパターン解析を行い、今まで気象変化が把握しにくかった場所でも正確な気象情報を得ることができ、利用者はスマートフォン端末からアプリをダウンロードするだけで使えるようになる。他にも、気象観測サービスをアプリで提供している日本無線 <6751> や、いであ <9768> [東証2]、島津製作所 <7701> 、さらに月額有料サービスを展開しているウェザーニューズ <4825> も挙げられる。

 また、電車の遅延情報などをいち早く入手し迂回路を検索するのも大混雑の駅構内を避けるためには必須だ。乗り換え案内情報を提供する駅探 <3646> [東証M]や、徒歩やバスなどの迂回路まで検索できる有料サービス「乗換案内PREMIUM」を手掛けるジョルダン <3710> [JQ]も気候が不安定になりやすい時期には役に立ちそうだ。

 さらに、雪の日などにちょうど商談が入っていたり、外出する用事があるときに自分で車を運転するのにおっくうな場合があるが、駅前のタクシー乗り場には同じようなことを考える人達が大行列をなしている場合が多い。そのようなときはタクシーの配車サービスを利用したい。スマートフォン向けメッセンジャーアプリを運営しているLINE <3938> は、GPS(位置情報)機能か建物情報を入力し、乗車位置を指定するだけでアプリ上からタクシーを呼ぶことのできる「LINE TAXI」を提供している。日本交通(東京都千代田区)と提携し、順次利用範囲を広げている。また、アパート経営プラットフォーム「TATERU(タテル)」を運営するインベスターズクラウド <1435> [東証M]は、訪日外国人観光客の民泊向けIoTデバイス「TATERU Phone」にタクシー予約機能を追加した。

●衣料品は早くも厳冬商戦に

 寒さが例年に比べ1ヵ月近く早くきたことで、冬物衣料の動きが活発化している。「ユニクロ」を展開するファーストリテイリング <9983> は、同社の人気商品である「ヒートテック」の2016年モデルを展開。アルガンオイル配合で肌ざわりの良さを追求したほか、「エクストラウォーム」シリーズではストレッチ性を高めるなど細かいニーズに対応している。カジュアル衣料大手のしまむら <8227> はヒット商品の「裏地あったかパンツ」を今年も販売している。ほかにも、下着メーカーのアツギ <3529> やグンゼ <3002> が出している防寒対策用の下着も寒さが本格化するなかで需要が高まりそうだ。

●小売店は「例年並みの動き」と慎重

 早くも防寒関連銘柄の一部が市場を賑わせているが、小売店の反応は至って慎重だ。ホームセンターの業界首位であるDCMホールディングス <3050> では、「首都圏に限って言えば、24日の降雪でスコップや凍結防止剤などは確かに動いた。北海道・東北圏にとって降雪は普通のことなので、基本的に道具を持っているから買い替え需要などで動くのみ。全体では例年並みの動きと認識している」(財務経理部)と言う。このほかにホームセンターでは、ジョイフル本田 <3191> 、島忠 <8184> 、コメリ <8218> 、Olympicグループ <8289> などの各社がともにしのぎを削っており、今冬の商戦はまだ始まったばかりだ。

株探ニュース

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