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【市況】今週の【早わかり株式市況】 10ヵ月ぶり高値奪還、「トランプ相場」始動で景気敏感株に買い殺到

日経平均 <週足> 「株探」多機能チャートより

今週の株式市場は、米国で「トランプ相場」が始動した流れが国内にも波及し、景気敏感株に買いが殺到。日経平均株価は一時1万8000円大台を回復し、約10ヵ月ぶりの高値を付けた。

 週初の14日は、朝方に発表された7-9月期の国内GDPが市場予想を上回ったことに加え、米大統領選でトランプ氏が勝利した9日から続く為替の円安基調がさらに進んだことが追い風となり、日経平均は3連騰。3日間の上げ幅は1421円に達し、9ヵ月半ぶりの高値を付けた。

 翌15日はNYダウの連日の最高値更新や円安進行で日経平均は朝方こそ高かったものの、さすがに前日まで相場が急伸していただけに利益確定売りに押され小反落。16日は円安進行と原油価格の急反発が好感され1万7800円台を回復。メガバンクが主導する形で金融株が相場を牽引した。17日は円安一服で利益確定売りに押される場面もあったが、底堅さを発揮しプラス圏で着地。

 18日は再び円安が急速に進み1ドル=110円台に乗せたことから、日経平均は寄り付きから約10ヵ月ぶりに1万8000円大台を回復。買い一巡後は大台達成感もあって利益確定売りに押され上値が重く、大引け間際には週末の手仕舞い売りが膨らみ1万7000円台に押し戻された。東証1部の売買代金は活況の目安とされる2兆円を8日連続で上回り、市場エネルギーの復調は鮮明だ。

 日経平均株価は、前週比592円(3.41%)高の1万7967円と大幅に続伸。終値ベースで1月6日以来、約10ヵ月ぶりの高値を付けて取引を終えた。週間の振れ幅は587円と、前週の1509円から大幅に縮小した。


 今週の相場が売買代金を伴って上値追いが続いただけに、来週も堅調に推移する可能性が高い。日経平均は再度の1万8000円乗せから、値固めの展開が期待できそうだ。
 重要イベントとしては、国内では21日朝に発表される10月貿易統計や25日朝に発表される10月消費者物価指数が注目される。海外では23日発表の米国10月新築住宅販売件数に注視したい。なお、米国では25日から年末商戦がスタートする。

◆マーケット・トレンド(11月14日~18日)

【↑】 11月14日(月)―― 3連騰・9ヵ月半ぶり高値、円安や予想を上回るGDPを好感
 日経平均 17672.62( +297.83)  売買高25億2766万株 売買代金 2兆6449億円

【↓】 11月15日(火)―― 4日ぶり小反落、朝高も利益確定売りに押される
 日経平均 17668.15( -4.47)  売買高24億9486万株 売買代金 2兆5886億円

【↑】 11月16日(水)―― 大幅反発・9ヵ月半ぶり高値、円安進行と原油高を好感
 日経平均 17862.21( +194.06)  売買高27億2666万株 売買代金 2兆8561億円

【↑】 11月17日(木)―― 小幅続伸、円安一服で売り先行も引けにかけプラス浮上
 日経平均 17862.63( +0.42)  売買高23億7012万株 売買代金 2兆4285億円

【↑】 11月18日(金)―― 一時1万8000円回復・10ヵ月ぶり高値、110円台に円安進む
 日経平均 17967.41( +104.78)  売買高25億4106万株 売買代金 2兆7241億円

◆セクター・トレンド(11月14日~18日)

(1)全33業種が上昇
(2)景気敏感株に買い殺到、三菱UFJ <8306> 銀行、野村 <8604> など証券といった金融株が急伸
(3)郵船 <9101> など海運、新日鉄住金 <5401> など鉄鋼といった景気敏感株が幅広く上昇
(4)トヨタ <7203> など自動車、村田製 <6981> など電機といった輸出株も買われた
(5)国際石開帝石 <1605> など鉱業、JX <5020> など石油といった資源関連も堅調
(6)エーザイ <4523> など医薬、味の素 <2802> など食品といったディフェンシブ株は動き鈍い

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