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【市況】富田隆弥の【CHART CLUB】 「ポイントになる11月下旬」

株式評論家 富田隆弥

◆先週のマーケットはトランプ・フィーバーの余韻に沸いたが、さすがに週後半は落ち着いてきた(本稿執筆は11月17日)。NYダウ平均は過去最高値を1万8934ドル(11月14日)まで伸ばし、ドル円は109.75円と110円に迫り、そして日経平均株価は1万7886円高値(11月16日)を付けたが、その後はいずれも小休止。

◆急騰に伴うスピード調整は当然で、世界中が大きく沸いた今回のトランプ・フィーバーの勢いがすぐに萎むとは思えない。11月下旬になると好調な年末商戦や冬のボーナスが話題になることから、マーケットは再び上値をうかがう可能性が十分で、NYダウは1万9000ドル、為替は110円台、そして日経平均は2月1日高値1万7905円奪回から1万8000円台に乗せることも想定される。

◆ただし、懸念要因が燻ぶっていることを忘れてはならない。その1つが金利の上昇だ。FRBイエレン議長が議会証言で近く利上げに動くことを示唆し、12月FOMC(12月13日-14日)での利上げが確実視されている。それを織り込むように米国の長期債利回りは1年ぶりとなる2.3%台まで上げ、日本の10年債利回りもプラス圏(16日+0.015%)に浮上した。基本的に金利上昇は株価にとって逆風であり、新興国にしてもマネー流出が懸念されている。

◆株式市場が上昇しているうちは「いいとこ取り」で突き進むが、流れが変わると隠れていた懸念要因が表に出てくる。それがマーケットである。100日と言われる「ハネムーン期間」は大統領に就任してからの期間だが、昨今の市場は何事も早めに先取る傾向があることから、すでにハネムーンを先取り、100日は10~20日に短縮する可能性もある。ちなみに昨年のマーケットは12月1日(2万0012円)で頭打ちとなり、年末年始は厳しい調整となった。それらを踏まえると、トランプ・フィーバーに沸く相場も遠からず流れが変わる可能性があり、この11月下旬が1つポイントになる。

(11月17日 記、毎週土曜日10時に更新)

情報提供:富田隆弥のチャートクラブ

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