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6727 ワコム

東証P
600円
前日比
-4
-0.66%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
23.6 2.20 3.33 10.72
時価総額 912億円
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決算発表予定日

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ワコム Research Memo(1):上期苦戦もクリエイティブビジネスでの今後の新製品投入効果に期待


ワコム<6727>はペンタブレットの世界トップメーカー。クリエイターや愛好家を対象とするクリエイティブ市場では世界シェア約90%を誇る。自社ブランドでペンタブレット製品を販売するブランド製品事業と、電子ペンのコンポーネントをタブレット(PCタイプ)等の完成品メーカー向けにOEM供給するテクノロジーソリューション事業が2本柱となっている。

同社の2017年3月期第2四半期累計決算は、売上高33,796百万円、営業損失897百万円で着地した。期初予想の営業利益100百万円から約1,000百万円下振れしたが、このうち対ユーロを中心とする円高の影響が過半を占めた。加えてブランド製品事業においては、モデルチェンジを控えた製品ラインの販売不振や、新興国での販売増やエントリーユーザー層拡大により低価格品シフトによる製品ミックスの悪化も収益性を押し下げた。テクノロジーソリューション事業は、円高影響を除けば順調に推移した。

2017年3月期下期は、第2四半期から一転し、ブランド製品事業が新製品の投入で巻き返しが期待される一方、テクノロジーソリューション事業が、Galaxy Note 7生産中止に伴うサムスン電子のスマートフォン向けのペン・センサーコンポーネントの出荷急減で、収益が大きく落ち込む見通しだ。8月に公表した前回見通しと比べて、ブランド製品事業における企業向けビジネスソリューションを取り巻く事業環境の厳しさ、クリエイティブユーザー向けディスプレイの新製品投入時期の遅れ、一般コンシューマ向けスタイラスペンの不振、そしてテクノロジーソリューション事業の状況を主因として、同社は11月に通期見通しを再度下方修正した。新予想は売上高70,300百万円(前年同期比9.4%減)、営業損失500百万円となっている。

2017年3月期第2四半期決算からは、改めて同社の強みを見て取ることもできた。ブランド製品事業のクリエイティブビジネスは、モデルチェンジサイクル末期の製品を除けば全般的には販売台数が好調に推移した。コンシューマビジネスでも、手書きノートをデジタル化できるスマートパッドは高い成長性が期待できる。テクノロジーソリューション事業でも、電子ペンの新規需要が生まれ、今後の展開を注視すべき動きが出てきた。今下期にブランド製品事業が期待どおりの伸びを示せば、来期以降の回復に向けて大きな動きにつながると弊社ではみている。

2018年3月期の業績は現状ではまだ見通すことが難しい。テクノロジーソリューション事業のサムスン電子向け出荷の帰趨がはっきりしないためだ。最悪のシナリオとして来期はゼロになる可能性も意識しておくべきであるが、一方で、改良機・次世代機向けの出荷が開始される可能性もある。一方、ブランド製品事業は、2017年3月期下期の回復トレンドがさらに加速すると期待される。2018年3月期は新製品効果が通期ベースで本格的に出てくる時期となるためだ。当面は、2017年3月期下期の新製品の販売動向を見守りたい。

■Check Point
・17/3期2Qは減収損失計上、英国のEU離脱に伴う円高の影響大
・ブランド製品事業は台数ベースで堅調な伸びを見せた製品や市場も
・18/3期にクリエイティブビジネスの3製品群すべてで新製品が揃う

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)

《YF》

 提供:フィスコ

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