【特集】“外国人買い”の波に乗る、高ROE「好業績」リスト 37社選出 ＜成長株特集＞

　海外投資家の日本株買いの勢いが止まらない。東証の投資部門別売買動向によると、海外投資家は米大統領選が行われた11月第2週から4週連続で買い越しており、この期間の買越額は約1兆6000億円に上った。トランプ次期米大統領が掲げる政策への期待から円安が加速。円安による日本企業の業績改善期待を背景とする海外勢の買い戻しが“トランプ相場”を牽引している。

　そこで本特集では、海外投資家が投資先を選定するうえで重視する「ROE(自己資本利益率)」が上場企業の平均である8％を超える経営効率の高い企業に注目してみた。今回はその中でも、直近四半期の業績が好調で、かつ予想PERが市場平均(東証1部は17.0倍)を下回る、株価の上昇余地が大きい銘柄をリストアップした。

　下表では、3月決算企業で時価総額50億円以上の東証1部上場銘柄を対象に、(1)今期予想ROEが10％以上、(2)7-9月期に増収増益かつ経常増益率が20％以上、(3)予想PERが16倍未満、(4)最終利益が経常利益の80％以下、といった条件を満たした37社を選び出し、ROEの高い順に記した。

　高ROEトップの安藤・間 <1719> は土木を中心とする手持ち工事の順調な進捗や工事採算の改善が寄与し、7-9月期(第2四半期)の経常利益は前年同期を2.1倍も上回って着地。上期業績の好調に伴い、通期計画を62.7％上方修正するとともに年間配当も4円増額した。2位のウィルグループ <6089> は企業の人材不足を追い風にコールセンターや食品製造業向け派遣が伸び、全四半期ベースでの最高益を達成した。同社は自社株取得や優待拡充といった株主還元も積極的に実施している。また、13位ながらも利益水準が高く予想PERが9.2倍と割安感が強い、富士紡ホールディングス <3104> は主力の精密加工用研磨材が半導体デバイス向けに好調だったほか、一般工業向けも大きく伸びた。17年3月期通期は経常利益が44期ぶりに過去最高益を更新する見通しだ。

　このほか、安藤ハザマ、イチケン <1847> 、ナカノフドー建設 <1827> 、大林組 <1802> などの建設株、プレサンスコーポレーション <3254> 、フージャースホールディングス <3284> といった不動産株などは、予想PERが10倍以下と上昇余地が大きい銘柄として注目したい。

　　　　　　　　　　　　　　　　┌ 経常利益 ┐
コード 銘柄名　　　　予想ROE　伸び率　7-9月期　予想PER
<1719> 安藤ハザマ　　　28.35　　 113　　 9430　　　6.2
<6089> ウィルＧ　　　　26.32　　36.1　　　479　　 12.7
<6750> エレコム　　　　22.68　　22.4　　 2132　　 14.3
<1847> イチケン　　　　20.60　　78.3　　 1241　　　6.1
<3254> プレサンス　　　18.00　　26.3　　 4959　　　8.5
<1827> ナカノフドー　　17.39　　35.8　　 2202　　　6.0
<2475> ＷＤＢ　　　　　16.74　　25.6　　　833　　 14.3
<1916> 日成ビルド　　　16.58　　63.1　　 1819　　 10.6
<1802> 大林組　　　　　15.36　　31.5　　36655　　 10.0
<3284> フージャース　　14.85　　 107　　 1880　　　5.3

<7508> ＧセブンＨＤ　　14.60　　64.0　　　912　　　8.0
<3724> ベリサーブ　　　14.59　　47.8　　　374　　 15.9
<3104> 富士紡ＨＤ　　　14.42　　 132　　 2427　　　9.2
<4839> ＷＯＷＯＷ　　　13.88　　39.5　　 3501　　 13.3
<1810> 松井建　　　　　13.37　　55.7　　 1836　　　8.2
<5358> イソライト　　　13.25　　29.7　　　358　　　6.3
<9428> クロップス　　　13.20　　92.9　　　299　　　8.6
<9697> カプコン　　　　13.16　　 243　　 2594　　 15.4
<4820> ＥＭシステム　　13.05　　21.2　　　766　　 15.9
<5393> ニチアス　　　　12.98　　27.5　　 4717　　 12.9

<5981> 東京綱　　　　　12.92　　97.1　　 1031　　 12.5
<6013> タクマ　　　　　12.33　　32.2　　 2758　　 10.2
<4709> ＩＤ　　　　　　12.29　　1771　　　318　　 12.9
<3291> 飯田ＧＨＤ　　　12.07　　35.3　　30618　　　8.6
<3822> Ｍｉｎｏｒｉ　　11.98　　41.5　　　402　　 12.5
<4687> ＴＤＣソフト　　11.97　　46.4　　　628　　 13.2
<7943> ニチハ　　　　　11.84　　80.4　　 3753　　 13.1
<8935> ＦＪネクスト　　11.61　　 267　　 2484　　　6.3
<7905> 大建工　　　　　11.51　　39.1　　 1726　　 10.0
<9130> 共栄タ　　　　　11.49　　 686　　　511　　　7.3

<6507> シンフォニア　　11.44　　75.2　　　939　　 12.3
<3360> シップＨＤ　　　11.08　　33.8　　 3991　　 15.5
<9065> 山九　　　　　　11.03　　26.3　　 7134　　 13.1
<6455> モリタＨＤ　　　10.73　　34.0　　 2146　　 13.8
<9600> アイネット　　　10.47　　26.1　　　584　　 13.2
<1983> 東芝プラ　　　　10.19　　28.8　　 5223　　 13.0
<3166> ＯＣＨＩＨＤ　　10.06　　26.4　　　556　　 13.1

※単位は経常利益が百万円、予想ROEが「％」、予想PERは倍率。
※対象条件について、「最終利益が経常利益の80％以上」の企業は、特別利益や税控除などにより一時的に最終利益がかさ上げされているケースが多いため、対象から除いた。

株探ニュース