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テラスカイ Research Memo(6):2020年2月期以降は利益も高成長期入りする見通し


■今後の見通し

1. 2019年2月期の業績見通し
テラスカイ<3915>の2019年2月期の連結業績は、売上高が前期比39.3%増の6,777百万円、営業利益が同25.8%減の199百万円、経常利益が同32.5%減の205百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同51.7%減の82百万円と増収減益となる見込み。2019年2月期は「安定的な高成長」「成長分野へのチャレンジ」「品質の向上」を経営ミッションとして掲げ、2020年2月期以降の持続的高成長に向けた取り組みを推進していく方針となっている。

(1) 減益要因について
売上高が高成長するにも関わらず営業利益が減益となるのは、今後の成長を見据えて積極的な人材投資を行うことや、2018年5月の本社移転により家賃等の固定費負担が増加することが主因となっている。

2019年2月期の人員の採用数については、単独ベースで前期比約1.8倍増となる135名を計画している。このうち新卒採用は18名(2018年2月期は13名)で、大半は中途採用となる。連結ベースの期末従業員数では前期末比168名増の550名を見込んでおり、子会社では受注拡大により人材の不足感が強まっているBeeXやキットアライブの増員を主に計画している。2018年3-4月の採用状況についてはほぼ計画どおりに進んでいるもようだ。

新卒・中途採用社員については約半年間を認定資格取得のための教育・研修期間と位置付けている(新卒社員は1年強)。これら人材が収益に貢献するまでの費用として人件費・教育費合わせて数億円、これに採用費数千万円が2019年2月期の人材投資費用となる。採用数は前期比約2倍で計画していることから、前期との比較で見ると3億円弱の費用増要因になると試算される。2019年2月期に予定通りの人員を採用できれば、2020年2月期の採用数は減少する見通しとなっており、人材投資費用も減少(=増益要因)することになる。

また、本社移転については事業拡大にあわせて人員の増員を進めるためのスペース拡張が目的となっている。従来も、3年間隔で本社移転を繰り返しており、今回も少なくとも3年間は定着できるだけのフロアスペースを確保した。移転時期は2018年5月で、従来、本社近隣に設けていた製品事業部の拠点「TerraSky Lab(テラスカイ ラボ)」も移転を機に新本社に集約する(子会社のBeeXやキットアライブの東京事務所も引き続き同時入居)。席数換算では最大で700席となり、フロアスペースは従来比2.5倍となる。移転に伴い一時的に家賃の二重払いが発生することもあり、2019年2月期は家賃だけで前期比2億円強の費用増要因となっている。

これら2つの費用増要因を除けば、2019年2月期の営業利益も増益となる計算だ。また、2020年2月期はこれら要因が一巡することから、売上高の成長に見合った格好で利益も大幅増益が期待できることになる。

(2) 事業セグメント別見通し
2019年2月期の事業セグメント別売上高は、ソリューション事業が前期比39%増の5,564百万円、製品事業が同38%増の1,212百万円とそれぞれ40%近い伸びとなる見通し。

ソリューション事業ではSalesforceだけでなく、AWS、クラウドERP等の開発案件が拡大するほか、保守・運用のMSPサービスも案件の積み上げとともに成長が続く。ただし、利益面では積極的な人材投資を行うことから減益を見込んでいる。

一方、製品事業ではSalesforceの画面開発ツールである「SkyVisualEditor」を中心に高成長が見込まれる。特に、期待の新製品であるソーシャルウェア「mitoco」についてはIoT技術を使った新機能や他の業務システムとの連携が進んだことにより、一段の売上成長が期待される。利益面では引き続き「mitoco」の機能開発にかかる償却費が負担となり利益率は低下するものの、増収効果により増益は確保できる見通しとなっている。


2020年2月期に経常利益10億円を目指す
2. 中期見通しと成長戦略
同社は中期の経営目標値として、2020年2月期に経常利益10億円を掲げている。2017年2月期から2019年2月期までの3期間は同目標を達成するための基盤づくりを行う先行投資期間として位置付け、人材投資や製品開発投資などを積極的に進めている。2019年2月期は減益見通しだが、これは同社の中期戦略に沿うものであり、現段階ではほぼ想定どおりの進捗になっていると見られる。前述したように2020年2月期は先行投資が一巡することから、売上高が100億円(2019年2月期計画比で47%増)を達成すれば、経常利益10億円も視野に入ってくる。経常利益率は10%と2018年2月期の6.3%から4ポイント近く上昇するが、人材投資費用が一巡して製品事業の利益率が上昇すれば十分達成可能な水準と見られる。ちなみに、経常利益率が最も高かったのは2016年2月期で9.8%であった。

同社では高成長を実現していくため取り組みとして、以下の施策に注力していく方針となっている。

(1) R&D部の設立
製品事業の拡大に向けて、クラウドを軸に今後の需要拡大が見込まれる6つの分野(機械学習、仮想パーソナル・アシスタント、RPA、量子コンピュータ、IoT、AR/VR)で開発を進めている。いずれのテーマも「mitoco」等の既存サービスとの連携を視野に入れている。このうち仮想パーソナル・アシスタント、RPA、IoTについては2019年2月期より売上に貢献する見通しだ。

(2) 「mitoco」への投資
「mitoco」については次世代版グループウェアとしての優位性を生かして、今後も追加機能の開発投資や他社アプリとの連携を進めながら、主力商品として育成していく考えだ。なお、Salesforce上で同様のサービスを提供する企業はあるが、いずれも規模が小さく機能的にも同社の製品の方が上回っていると見られる。

(3) オムニチャネル
オムニチャネル領域では、「Salesforce Service Cloud(以下、Service Cloud)」と「LINEカスタマーコネクト」を連携する「オムニチャネル LINK for LINE カスタマーコネクト」のサービスを2018年4月より提供開始している。コンタクトセンターのオペレーターが操作する「Service Cloud」のコンソール画面上にLINEでの顧客とのやりとりを表示することができ、オペレーターが顧客に関連する情報とオムニチャネルでの応対履歴を集約した画面を利用して、顧客満足度の高いサービスを提供できることが特徴となっている。

SNSの普及により顧客とのコンタクトは電子メールや電話からLINE等のSNSに変わってきており、また、チャットボットの活用も進むなど日々進化している。Salesforceは小売りやサービス業などBtoC企業に強いこともあり、LINEとの連携を図った同社サービスの注目度も高く、今後の収益貢献が期待される。なお、Salesforceと連携した同様のサービスはほかにもあるが、Salesforceの開発技術力で強みを持つ同社サービスのほうが機能的に上回っていると見られる。

(4) AppExchange化支援
「AppExchange」とは、Salesforceが提供するビジネスアプリケーションのマーケットプレイスで、掲載アプリは3,000を超え世界最大規模となっており、Salesforceのサービスの中でも最も伸びているサービスの1つとなっている。

同社はこの「AppExchange」に掲載を希望する企業の製品化支援を行っており、2017年に資本・業務提携したPhone AppliのWeb電話帳アプリの製品化支援も行っている。また、2018年3月には(株)リザーブリンクのクラウド型予約管理システム「ChoiceRESERVE」とSalesforceとの連携も実施するなど、今後もBtoC企業を中心に多くの引き合いが見込まれる。

(5) ポストモダンERP
ポストモダンERPとは、ライフサイクルの長いERPコア機能と、変化の激しい周辺アプリケーションを、業務やサービスの特性に合わせて「最適なものを選択し組み合わせる」、新たなERPシステム(ハイブリッド型ERP)のことを指している。

同領域ではクラウドEPR専業インテグレーターであるBeeXの活躍余地が大きい。2016年3月の創業から、大企業を中心に25社以上の開発実績を持ち、特にSAPのクラウド化では国内でもトップクラスの実績を持つ。SAP等の大規模ERPのクラウド化率はまだ低く、潜在需要は大きいと見られる。このため、同領域では2017年にTISと資本・業務提携を実施したのに続き、2018年3月にはSAPビジネスのパイオニアである東洋ビジネスエンジニアリングとの協業も開始し、SAP導入企業のクラウド化を進めていくことにしている。

(6) 新株予約権発行による資金調達
同社はここ数年、事業面でのシナジーが期待できる企業との資本・業務提携を展開してきたが、今後もこの方針に変わりない。特に、今後数年間は成長を加速化していくため、M&Aや資本・業務提携を積極的に進めていくことを検討している。このための資金調達として、2018年5月に第三者割当による新株予約権を発行した。資金調達見込み額は約24億円で、すべて行使されれば発行株式数は10.5%増えることになる。調達資金のうち12億円はM&Aや資本・業務提携資金として、6億円は人材投資費用として充当し、残りで借入金の返済を行っていく予定にしている。M&Aの対象としては、国内でSalesforce関連のエンジニアを抱える企業、あるいは「mitoco」と連携できるアプリを持つ企業等が考えられる。投資回収期間としては長くても7?8年程度を目安に候補案件を精査している段階にある。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《TN》

 提供:フィスコ
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