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【特集】エネクス Research Memo(4):電力販売量が小売・卸売ともに大幅に伸び、大幅増収増益

エネクス <日足> 「株探」多機能チャートより

■業績の動向

3. 電力・ユーティリティ部門
伊藤忠エネクス<8133>の2018年3月期第1四半期の電力・ユーティリティ部門は、売上収益15,309百万円(前年同期比33.3%増)、営業活動に係る利益1,915百万円(同47.2%増)と、大幅増収増益で着地した。家庭向け及び法人向けに小売り電力販売数量が順調に伸びたほか卸売電力販売も伸長した。また、熱供給事業も供給先の拡大があり、部門全体の収益が大幅に拡大した。

発電部門では前期に風力発電設備の一部を売却したことや、定期点検の実施により総発電量は前年同期を下回った。しかしながら、2018年3月期第1四半期中に発生した一過性利益(内容は保険金収入)もあり、最終損益は前年同期を上回った。

電力販売は小売りと卸売の2つの分野があるが、小売りについて同社は、同社自身をリーダー企業としてバランシンググループ(BG)を形成して販売している。BGメンバーには同社のLPガス販売子会社や社外企業2事業者((株)とっとり市民電力、(株)トドック電力)が名を連ねている。それぞれが各地域での強い営業基盤を生かし、一般家庭・中小法人向けに電力の販売を行っている。また、BG以外のスキームでも他部門・企業との連携強化を図りながら、順調に販売を伸ばしている(詳細は後述)。

今第1四半期は卸売販売も伸びた。ここ数年は小売販売の拡大に主に注力してきたが、原油価格が一時期の極端な低価格から抜け出したことで卸売の採算性が改善したことが卸売販売増の理由の1つとみられる。加えて、同社が50%出資する仙台の火力発電所の稼働を2017年10月に控えていることも小売・卸売を含めた総電気販売量拡大の背景にあると推測される。

熱供給部門では、今第1四半期の平均気温が前年同期を下回り需要減少要因となったものの、GINZA SIXに対する熱供給が開始されたため熱需要は前年同期を上回り、売上高は前年同期比増収となった。一方利益面では、設備更新に伴う除却費用の計上などの要因から前年同期比減益となった。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)

《HN》

 提供:フィスコ
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