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【特集】檜和田浩昭氏【上昇相場は始まった? 波に乗る株・テーマは】(2) <相場観特集>

檜和田浩昭氏(東洋証券 マーケット支援部長)

―アベノミクス高値更新までと更新後、そのシナリオを聞く―

 10月下期相場入り目前に東京株式市場は引き続き強い動きをみせている。9月第2週以降、マーケットは大方の予想を覆し一気にリスクオン相場に傾いた。急速に上値を追った反動で足もとは利益確定の動きも出ているが、株価が緩む場面では押し目買い意欲が旺盛で容易に崩れる気配はない。日経平均株価2万円大台は盤石なのか。期待と不安が入り交じる秋相場の見通しについて、全体相場の先読みや銘柄観に定評のある市場関係者2人に話を聞いた。

●「日経平均2万円台固めから上値を目指す展開に」

檜和田浩昭氏(東洋証券 マーケット支援部長)

 10月の株式相場は、日経平均2万円の大台固めから、さらに上値を目指す展開となりそうだ。安倍晋三首相は25日夕から記者会見し、28日召集の臨時国会冒頭に衆院を解散する意向を表明し、10月10日公示、22日投開票の日程で総選挙がスタートする。これまでのマスコミ各社の世論調査によると、現有勢力が大きく変動する可能性は少ないとの見通しとなっており、株式市場にとっては安心材料といえる。

 海外投資家も、与党が勝利する可能性が高いとの見方から、経済関連をはじめとした政策の継続性が維持されることを好感して買い姿勢を強めることになりそうだ。米国では、前週19~20日に開催された米連邦公開市場委員会(FOMC)で、10月からのテーパリング(量的金融緩和縮小)開始が発表され、加えて年内利上げの可能性も高まってきた。これに伴い、日米金利差拡大の道筋が鮮明となり、外国為替市場では円安・ドル高傾向が維持されそうだ。

 10月中旬以降本格化する4-9月期の決算発表は、外国為替市場での円相場が足もとで1ドル=112円台となっていることから、通期業績について上方修正の動きも顕在化しそうだ。保守的な判断により通期業績見通しを据え置く企業のなかにも、増配などの株主還元策を打ち出すケースも目立ちそうだ。

 物色対象としては、電気自動車(EV)人工知能(AI)IoT(モノのインターネット)自動運転、有機ELといった先端技術関連のテーマに継続注目したい。さらに、米金利の上昇などを背景に、銀行セクターにも関心が高まりそうだ。

(聞き手・冨田康夫)

<プロフィール>(ひわだ・ひろあき)
1990年東洋証券入社、府中・横浜・福山支店で個人のリテール営業を経験。2002年情報部を経て11年2月からアジア部ストラテジストとして日本株と中国株を中心に相場分析を担当。その後、投資調査部次長を経て2015年11月から現職。日本FP協会正会員(CFP)。日本テクニカルアナリスト協会検定会員(CFTe)。株式講演会講師、新聞取材など多数。

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