【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(2):グリー、アンリツ、ツルハ
グリー <日足> 「株探」多機能チャートより
グリー<3632>が続伸。19日に同社のアプリ開発スタジオWright Flyer Studiosがリリースした新作アプリ「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか ~メモリア・フレーゼ~」(ダンメモ)が、前日に続いてiPhone無料ゲームランキングで1位となっているほか、Android無料ゲームランキングでも6位に浮上しており、これを好感した買いが入った。「ダンメモ」は、人気ライトノベル「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか」初の本格スマートフォンゲーム。原作本のシリーズ累計売り上げが800万部を突破し、15年春に放映されたテレビアニメは爆発的な人気を博した作品で、「ダンメモ」では原作者の大森藤ノ氏が完全監修し、小説2000ページ分を超えるオリジナルストーリーが収録されていることから話題を呼んでいる。また同社は、ここ最近「アナザーエデン」や「SINoALICE(シノアリス)」などリリースしたタイトルが好調に推移しており、業績への貢献が期待されている。
■アンリツ <6754> 1,052円 +20 円 (+1.9%) 本日終値
アンリツ<6754>は全体軟調相場のなか4日続伸と上値指向を継続。同社株は次世代通信規格である「5G(第5世代移動通信システム)」関連の有力株として注目されている。5Gは世界的にも利用者数で圧倒的な基盤を誇る中国の台頭などで主導権争いが先鋭化している。インフラ整備に向け各社設備投資に注力するなか、通信系計測器のトップメーカーである同社のビジネスチャンス拡大に、改めてマーケットの注目が集まり始めた。
■フリュー <6238> 1,348円 +22 円 (+1.7%) 本日終値
フリュー<6238>が3日続伸。この日、ニンテンドー3DSのホームメニューをユーザーの好みにカスタマイズできる「テーマ」として、新たに「けろけろけろっぴ」のデザインを「テーマショップ」で配信開始したと発表しており、業績への寄与を期待した買いが入ったようだ。「けろけろけろっぴ」はサンリオ<8136>から誕生し、18年に30周年を迎える人気キャラクター。今回配信を開始したテーマは、パステルカラーを基調とした色合いであじさいとけろけろけろっぴを描いた今の季節ならではのデザインという。
■ツルハホールディングス <3391> 12,760円 +160 円 (+1.3%) 本日終値
ツルハホールディングス<3391>が3日続伸。20日取引終了後、18年5月期の連結業績予想を発表し、売上高は6000億円(前期比4.0%増)、営業利益は390億円(同5.2%増)、最終利益は247億4000万円(同1.3%増)と、最高益更新を見込むことが好感された。同社のPB(プライベートブランド)「エムズワン」「メディズワン」をはじめとする良質で求めやすい商品の品揃えを増やしていくほか、ドミナント展開による店舗網の拡充を図るべく、新規エリアを含めた地域集中出店により140店舗の出店を計画している。なお、17年5月期連結決算は売上高5770億8800万円(前の期比9.4%増)、営業利益370億7100万円(同18.3%増)、最終利益244億3300万円(同26.4%増)だった。
■日比谷総合設備 <1982> 1,895円 +12 円 (+0.6%) 本日終値
20日、日比谷総合設備 <1982> が18年3月期に投資有価証券売却益約43億円を特別利益に計上する見込みとなったと発表。これを受けて通期業績の上振れを期待する買いが向かったようだ。持分法適用関連会社である日本メックスが28日開催予定の株主総会で自己株式取得について付議することを決議。同案件が株主総会で承認された場合、同社は保有する日本メックス株式の一部を譲渡する。これにより、株式売却益が発生する見込みとなった。なお、通期業績への影響については株式譲渡が正式に決定した時点で公表するとしている。
■日立化成 <4217> 3,320円 +5 円 (+0.2%) 本日終値
日立化成<4217>がしっかり。この日、7月1日出荷分から銅張積層板、プリプレグおよびシールド板について8~15%の値上げを行うと発表しており、採算改善を期待した買いが株価を下支えしているようだ。銅張積層板、プリプレグおよびシールド板については、原材料である銅箔およびガラスクロスの需要逼迫による価格高騰のため、今年2月に値上げを行ったが、その後も銅箔、ガラスクロスともに世界的な需要逼迫が続き、価格はさらに高騰していることから、再値上げに踏みきったという。
■PALTAC <8283> 3,860円 +5 円 (+0.1%) 本日終値
PALTAC<8283>は、6月5日に上場来高値4115円をつけた後、上昇一服となっているが、業績拡大期待を背景に、再び高値更新に向かいそうだ。同社は化粧品や日用品、一般用医薬品などを取り扱う卸業界のトップ企業。顧客小売業の店舗運営効率化に貢献する独自のノウハウを積み上げることで、高付加価値な卸売・物流企業として知られている。景気に左右されにくい生活必需品を取り扱うことに加えて、ドラッグストアの出店増を受けて業績の安定度は高いが、18年3月期はインバウンド消費の復調や猛暑による飲料需要の増加なども期待できる。一方で、5月稼働の広島物流拠点の効果などもあり、会社側の経常利益230億円(前期比7%増)予想は上振れの公算が大きい。今後も物流拠点の整備で持続的な成長が期待できそうだ。また、5月にはタイ消費財大手サハグループの物流会社への出資などで基本合意した。将来的にはASEAN全域への展開も視野に入れており、今後の海外展開にも注目したい。(仁)
■電通 <4324> 5,400円 -90 円 (-1.6%) 本日終値
電通<4324>が反落。三菱UFJモルガン・スタンレー証券が20日付のリポートで、レーティングを「オーバーウエート」から「ニュートラル」へ、目標株価を7430円から5910円へ引き下げたことが嫌気された。国内では、過重労働問題の深刻化やテレビ広告需要の低迷の影響や、海外では広告投資抑制に加え世界広告大手4社との競争激化といった事業環境悪化の影響による収益の成長力低下を指摘。17年12月期営業利益予想を従来の1413億円(会社計画1515億円)から1275億円へ、18年12月期を同1536億円から1279億円へ、19年12月期を同1760億円から1326億円へそれぞれ引き下げた。
■三菱UFJ <8306> 719.8円 -9.8 円 (-1.3%) 本日終値
三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>.三井住友フィナンシャルグループ<8316>などメガバンクが軟調な展開。引き続き米長期金利の動向に左右される展開が続いている。前日の米国株市場では再度リスク回避の動きが優勢で、債券が買われる流れとなり米長期金利は2.15%台に低下、ゴールドマン・サックスやJPモルガン、シティグループなど大手金融株が軒並み軟調となった。三菱UFJなど日本のメガバンクも米国での資金運用に逆風材料となることで、株価に下押し圧力が働いている。
株探ニュース