【特集】四半期【大復活】最高益更新リスト 31社選出 <成長株特集>
キングジム <日足> 「株探」多機能チャートより
本決算月にかかわらず、直近四半期に経常利益が全四半期ベースで過去最高益を更新した銘柄は352社に上った。下表ではこのうち、時価総額100億円以上の銘柄を対象に、20四半期(5年)以上ぶりに最高益を更新した31社を選び出し、「最高益の更新間隔が大きい」→「上振れ率が高い」順に記した。
最高益の更新間隔が最も大きく空いたのはキングジム <7962> 、日産自動車 <7201> 、フォーバル <8275> の3社で、実に48四半期(12年)ぶりの大復活となった。このうち上振れ率でトップとなったのは、ファイルとラベルライター「テプラ」を主力とする事務用品大手のキングジム。1-3月期(第3四半期)は減収だったものの、経常利益は原価低減や開発費の抑制、のれん償却費の減少などが寄与し、四半期ベースの過去最高を13.4%上回る10.4億円に伸びて着地。第3四半期累計の実績は通期計画に対して進捗率が90.5%に達しており、業績上振れが確実視される。
2位の日産自動車は中国や北米で販売台数が増加し、1-3月期(第4四半期)の経常利益は過去最高を12.6%上回った。今期は減益見通しだが、予想PER7.9倍、PBR0.87倍と割安感が強いうえ、配当利回りは4.9%と東証1部銘柄で最も高く、割安・高配当株として注目したい。3位のフォーバルは主力の中小企業向けITコンサルティングなどの受注が伸びた。同社も予想PER10.6倍と低位にあることから株価の水準訂正が期待される。
4位の日本システムウエア <9739> は企業の旺盛なIT投資需要を背景に、主力の製造業・官公庁向けシステム開発案件の受注が伸びた。さらに、人件費や研究開発費が減少したことも業績を押し上げ、四半期ベースでは44四半期ぶり、通期でも17年3月期に16年ぶりの最高益更新を果たした。
5位の船井総研ホールディングス <9757> の1-3月期(第1四半期)は、主力の住宅・不動産業界を中心に経営コンサルティングの受注件数が大きく伸び、四半期ベースでは初めて2四半期続けて10億円を超えてきた。第1四半期業績の対中間期進捗率は71.8%と高水準で、業績上方修正への期待も高まっている。7位のヤマハ発動機 <7272> はベトナムやタイで二輪車の販売が増加したほか、コスト削減や構造改革による採算改善効果も大きかった。
このほか、フージャースホールディングス <3284> (10位)、日新 <9066> (11位)、日本エスコン <8892> (13位)、CKサンエツ <5757> [東証2](25位)は年初来高値圏で推移しているが、予想PERは10倍前後と依然として割安感が強く、上値余地が大きい銘柄としてチェックしておきたい。また、12位の東京エレクトロン <8035> は半導体関連全般が調整局面で株価下落が続いているが、同社の業績は絶好調であり、予想PER(15.9倍)、配当利回り(3.15%)から見ても、人気が再燃する可能性は高いとみられる。
最高益 ┌─── 経常利益 ───┐
コード 銘柄名 間隔期数 上振れ率 直近四半期 過去最高 予想PER
<7962> キングジム 48 13.4 1048 924 27.6
<7201> 日産自 48 12.6 274562 243775 7.9
<8275> フォーバル 48 4.6 952 910 10.6
<9739> NSW 44 5.0 1012 964 15.7
<9757> 船井総研HD 41 18.2 1401 1185 35.4
<3763> プロシップ 40 25.8 712 566 13.7
<7272> ヤマハ発 40 4.0 40832 39278 13.3
<7972> イトーキ 40 3.7 3171 3058 18.3
<6914> オプテクスG 40 1.6 1309 1289 26.6
<3284> フージャース 40 0.6 3915 3890 7.1
<9066> 日新 39 9.2 2032 1860 10.6
<8035> 東エレク 38 13.2 61857 54620 15.9
<8892> 日エスコン 38 7.5 2199 2046 7.2
<5742> NIC 37 20.0 276 230 22.6
<6923> スタンレー 37 10.4 14814 13422 17.0
<3116> トヨタ紡織 37 7.9 22385 20745 10.1
<9062> 日通 37 3.6 18738 18087 15.9
<6258> 平田機工 36 24.7 2990 2397 21.0
<8278> フジ 36 6.7 2977 2789 17.2
<9324> 安田倉 34 4.5 1016 972 13.6
<8052> 椿本興 34 0.9 1067 1058 7.6
<7465> MV北海道 28 19.6 1117 934 46.9
<4776> サイボウズ 28 17.3 603 514 91.9
<4288> アズジェント 28 16.9 214 183 -
<5757> CKサンエツ 27 33.9 1914 1429 6.2
<6879> イマジカロボ 22 2.6 963 939 -
<8088> 岩谷産 20 28.5 13798 10738 10.7
<5805> 昭電線HD 20 24.4 1426 1146 14.0
<1956> NDS 20 5.1 1463 1392 8.9
<8267> イオン 20 4.7 102311 97700 96.4
<7213> レシップHD 20 0.4 903 899 334
※四半期の過去最高益は原則、四半期決算の開示が本格化した2003年4-6月期以降の業績に基づいたものです。経常利益の単位は百万円。予想PER「-」は今期最終利益予想を非開示とする企業。
株探ニュース