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【市況】【北浜流一郎のズバリ株先見!】 ─ “堅実続伸”の材料株に勝機!

株式アドバイザー 北浜流一郎

「“堅実続伸”の材料株に勝機!」

●日経平均の騰勢鈍らす2つの懸念材料

 出足好調だった6月相場だが、月半ばとなっていまはかなり精彩を欠く展開となっている。

 日経平均株価は6月2日に2万0239円の高値をつけて2015年6月につけた高値2万0952円の奪還にすぐに向かうかに見えたが、いまは2万円台乗せに苦戦中といったところだ。

 米FRBは金利引き上げを実施したし、懸念材料だった英国の総選挙も終わった。夏になると噴き出すギリシャの財政債務問題も、15日夜に欧州連合(EU)がルクセンブルクでユーロ圏財務相会合を開き、ギリシャに対する85億ユーロ(約1兆500億円)の追加融資で合意したことで未然に危機再燃を防いだ格好だ。

 もちろん、これでギリシャの財政危機が解消したわけではない。しかし、目先は東京市場の足を引っ張り、崩壊せしめるような元凶ではなくなったと見てよく、株式投資に取り組みやすくなったのは有り難い。

 それにしては日経平均の騰勢が弱い。こうなるのだが、では他にどんな懸念材料があるのか。

 実は2つある。

(1)米国IT関連株の高値波乱。

(2)原油先物価格の下落。

 これらになる。(1)は主力のアップル株が新製品の販売を延期するのではないかとの観測で売られたことが大きい。しかし、この種の情報は、新製品の発売が迫るとよく出てくるもので、影響は一時的で市場の足を引っ張り続けるとは思えない。

 原油先物価格の下落はどうか。実はこれが大いに気になる。すでにWTIでは1バレルが45ドルを割りこんでいる。

 原油価格の下落を回避するために減産中のOPEC加盟国にとって、これはかなりのショックになろう。背景としては在庫増や減産合意破り、さらにはシェールオイルの増産、加えてトランプ政権による海底油田開発の規制緩和がある。

 これらが複合して押し寄せては、なかなか原油先物価格は上昇しにくく、それが結果としてドル安要因として働いてしまっているのが現状だ。このため、日経平均はなかなか素直に上がってくれない。

●シーソーの如き株式市場、沈む株あれば浮かぶ株も

 ただし、株式市場は「こちらが立たねばあちらが立ち、あちらが立たねばこちらが立つ」という世界。円安依存度の高い、いわゆる輸出関連株がなかなか上がらなければ、為替変動が収益にさほど響かない分野や銘柄が浮上する。こうなるので、原油価格の低迷が続き、円が下がってくれないとしても、実際の投資への影響はさほどない。

 それゆえここは個別材料株主導の相場。こうなるため、そのつもりで銘柄を探したい。

 そこで、ここでの注目銘柄はまずはクボタ <6326> だ。クボタといえば農機具となるが、鋳鉄管にも強く、ともに国内首位だ。

 いまはどちらも需要好調だが、特に伸びているのが農機具。排ガス規制の影響が薄れた国内はもちろん、北米でも中小型機を中心に需要を伸ばしている。

 株価はこれらを好感、高値圏ながら農機具に加え、建設機械の需要も上向き中であることを考えると、さらなる高値が見込める。

 値動きが緩やか過ぎて、株価が上がったような気がしないが、実は着実に上がり続けているという銘柄がある。イオンモール <8905> もそんな銘柄であり、投資すると正直上昇を待っている間うんざりさせられたりするが、投資で大事なのはやはり着実な上昇。この点では期待に応えてくれる可能性が高く、この株の2200円前後は投資適切ゾーンといえる。

 牛肉関連株はこれまでも取り上げてきたが、まだ残っている銘柄があった。スターゼン <8043> だ。食肉卸首位で、今後、米国産牛肉の関税が引き下げられる方向となっていることを考えると、牛肉輸入の拡大が見込め、この会社はその恩恵を受ける。株価はすでに高値圏ながらそれを承知で取り上げておきたい。

 外食最大手ゼンショーホールディングス <7550> も堅実な続伸を期待できる銘柄だ。牛丼最大手「すき家」が近い将来、米国産牛肉輸入関税引き下げのメリットを受けるし、「はま寿司」の経営も順調だ。株価はこれまた高値圏ながら適度な押し目を入れながらの上昇なのでリスク度は高くない。

 最後に私の大好き銘柄、東証2部のベネフィット・ワン <2412> [東証2]だ。これまですでに取り上げてきたが、新値更新となっている。これまでに投資して持続している人はみんな儲かっている。こうなっている銘柄であり、目先少し下げたところで拾い、さらなる高値に期待したい。なお、この会社は官公庁や企業の福利厚生施設の運営代行サービスの大手だ。

2017年6月16日 記

株探ニュース

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