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【特集】有賀泰夫の有望株リサーチ ウエルシア

ウエルシア <日足> 「株探」多機能チャートより

●ウエルシアホールディングス <3141>
―M&Aをバネに拡大、業績好調が続く―

 円高進行もあって、膠着状態にあった日経平均はますます頭が重くなってきました。しかし、個々の銘柄を見れば、好業績銘柄で、特に内需株には株価が強いものが多くなっています。

さて、そろそろ2月期決算企業の決算発表が本格化します。2月期決算企業は内需銘柄が中心ですので、この2月期決算で増額修正が見込まれる株は、今後注目の度合いが高まる可能性があります。

 すでに、このコラムで取り上げた銘柄の中ではサイゼリヤ <7581> が注目されます(12月23日付の本コラム参照)

 今回の注目銘柄はウエルシアホールディングス <3141> になります。

 わが国の食品流通市場においては、加工食品卸業の機能性の高さと地域密着型の食品スーパーの生鮮、中食のマーチャンダイジング力の組み合わせが日々の食品の買い回りにおいてGMS(総合スーパー)を圧倒したため、GMSが本来の総合力を発揮できませんでした。

 一方で、機能性の高い卸売業が現れなかった分野では、ユニクロ(ファーストリテイリング <9983> )やニトリホールディングス <9843> などの製造小売業が存在感を高めたことで、GMSにさらなる打撃を与え、いまやGMSは衰退の一途を辿っています。

 そのような流通市場の変化の中で、主に日用雑貨や化粧品、薬品を主要商品とするドラッグストアはGMSの衰退の受け皿として漁夫の利を得た状況にあります。

 ドラッグストア企業の発展パターンは大きく分けると、独自のフォーマットにより自前店舗の拡大で成長するパターンと、M&Aによって収益性の低い企業を取り込んで拡大するパターンがあります。

 ウエルシアホールディングスは後者の代表になりますが、特に最近取り込んだ企業の収益性の向上が見込まれ、当面好調な業績が続きそうです。

(3月28日 記)

有賀泰夫(ありがやすお)
H&Lリサーチ代表。新日本証券(現みずほ証券)に入社後、アナリストとしてクレディ・リヨネ証券に転職。現三菱UFJモルガンスタンレー証券を経て、09年4月に独立して、H&Lリサーチを設立。ファンド向けアドバイスなどを行う。日本証券アナリスト協会検定会員。

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