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【特集】雨宮京子氏【陥落1万9000円、“撤退”か“押し目”か決断の時】(1) <相場観特集>

雨宮京子氏(経済ジャーナリスト)

―警戒レベル引き上げも国内業績は堅調、春相場の戦略は―

 昨年11月の米大統領選でトランプ氏が勝利して以降、“トランプ相場”の名のもとに強烈なブル相場が形成された。しかし、ここにきて日米ともに株式市場は変調をきたしている。4月新年度相場を目前に、ここは押し目買いチャンスなのか、それともいったんキャッシュポジションを高めるべきなのか、投資家にとって悩ましい場面だ。相場の先読みで定評のある市場関係者3人に、ここからの投資戦略と銘柄について意見を求めた。

●「悪地合い覚悟も中小型株でピンポイント勝負」

雨宮京子氏(経済ジャーナリスト)

 今年に入ってから、日経平均株価は25日移動平均線を下回って推移する場面が多くなった。ただし、押し目形成場面では売り方の買い戻しが利いて、いったん25日線を下回ってもその後すぐに再浮上するというように、弱気相場に傾くことはなかった。ただ、足もとの値動きは、注意を要する段階に入ったという気がする。

 これまでは、トランプ米大統領が打ち出す政策に対するマスコミからの批判はあってもマーケットは意に介さず、「トランプ政策=株式市場にフレンドリー」という揺るぎない構図があった。大型減税にせよ巨額のインフラ投資にせよ、大風呂敷を広げている感なきにしもあらずだが、それでもトランプ大統領の政策実行力に期待を寄せていた。

 ところが、一丁目一番地といわれたオバマケア代替法案が頓挫した。これは同法案に対する期待感の剥落にとどまらない。高らかに掲げていた大幅減税やインフラ投資についても、紛糾して予定通りに進まないのではないかという疑念が、にわかに投資家の心の中で雪だるま式に大きくなりつつある。

 米国株市場が一段の調整色をみせた場合、東京市場も下値模索の動きを強めざるを得ないだろう。現在のリスクオフの流れは米長期金利の低下とセットになっており、これは為替のドル売りにリンクする。日本株にとっては米株安と円高のダブルパンチとなる格好で、むしろ米株市場以上に下げが大きくなる懸念もある。当面は主力株を安易に買い下がるのは相応のリスクを伴う。ソフトバンクグループ<9984>と三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>、この2銘柄のチャートの崩れがそれを暗示している。日経平均の下値メドとしては、昨年11月以降のトランプ上昇相場で最初の踊り場となった1万8500円近辺とみている。

 とはいえ、国内企業業績はしっかりしている。17年3月期に続き18年3月期も増益は確保されそうであり、それを念頭に一方通行の下げは考えにくい。1万8500円どころを下限と想定して、糸を出し切らない形での押し目買い作戦を考えたい。

 個別はやはり中小型株が優位とみる。半導体関連ではローツェ<6323>の業績変化期待が大きいほか、高速処理の半導体需要が高まりをみせるなかで、同技術分野のトップランナーである安川情報システム<2354>の底入れに期待。このほか、再生可能エネルギー分野で期待を担うレノバ<9519>や有機EL向け装置が好調な平田機工<6258>などもマークしたい。また、バイオ関連もそろそろ売りが一巡する頃合い。そのなか窪田製薬ホールディングス<4596>の戻り足に着目している。

(聞き手・中村潤一)

<プロフィール>(あめみや・きょうこ)
元カリスマ証券レディ。経済ジャーナリスト。AK企画代表。日興証券時代は全国トップの営業実績を持つ。ラジオ短波(現ラジオNIKKEI)、長野FM放送アナウンサー、『週刊エコノミスト』(毎日新聞社)記者、日経CNBCキャスター、テレビ東京マーケットレポーター、ストックボイスキャスターなどを経て現在に至る。

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