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【特集】清水洋介氏【陥落1万9000円、“撤退”か“押し目”か決断の時】(2) <相場観特集>

清水洋介氏(Argo Navis フィナンシャルコンシェルジュ)

―警戒レベル引き上げも国内業績は堅調、春相場の戦略は―

 昨年11月の米大統領選でトランプ氏が勝利して以降、“トランプ相場”の名のもとに強烈なブル相場が形成された。しかし、ここにきて日米ともに株式市場は変調をきたしている。4月新年度相場を目前に、ここは押し目買いチャンスなのか、それともいったんキャッシュポジションを高めるべきなのか、投資家にとって悩ましい場面だ。相場の先読みで定評のある市場関係者3人に、ここからの投資戦略と銘柄について意見を求めた。

●「2万円乗せには業績拡大の確認必要」

清水洋介氏(Argo Navis フィナンシャルコンシェルジュ)

 東京株式市場は、新年度が始まる4月相場にかけて底堅い展開が期待できるとみている。新年度に入ればニューマネーの流入が期待できるほか、日本企業の業績拡大期待が相場を下支えしそうだ。

 足もとの相場は、米トランプ政権のオバマケア代替法案の撤回や、日本では学校法人「森友学園」への国有地売却問題などの影響が懸念視されている。しかし、より根本の相場を支えているのは米国景気や日本企業の業績の拡大期待だろう。株式市場を支えてきた大きな柱は変わっておらず、政局は当面の材料ともみられる。

 ただ、日経平均株価が2万円を回復するには、4月下旬から本格化する3月決算企業の決算発表などの内容を確認する必要があるだろう。こうしたなか、今後1ヵ月程度の日経平均株価の想定レンジは1万8500~1万9600円前後を見込んでいる。為替相場は1ドル=110~118円の幅広いレンジを予想する。

 個別銘柄では三菱商事<8058>や三井物産<8031>、丸紅<8002>といった商社株に注目している。高配当利回り銘柄の商社株は3月末の権利取りを通過すれば、いったん物色人気が一服する可能性もある。しかし、足もとでは銅価格が高止まりしており、商社株は4月以降も堅調な値動きは期待できるだろう。

 また、村田製作所<6981>やTDK<6762>といった電子部品関連株は右肩上がりの相場を予想している。ロボットや自動運転などにも絡み電子部品は需要拡大を続けるだろう。CMOSイメージセンサーを手掛けるソニー<6758>も電子部品関連として注目したい。

(聞き手・岡里英幸)

<プロフィール>(しみず・ようすけ)
大手証券会社に入社後、外資系証券会社、外資系オンライン証券会社などを経て、証券アナリスト、テクニカル分析の第一人者として、「チャートの先生」「ストラテジスト」の役割でテレビのレギュラー出演や雑誌の連載などで活躍。現役ディーラーとしても日々相場と対峙している。10年以上続いているメールマガジン「日々是相場」や投資に関しての講演などを行っている。2014年5月株式スクール開校、証券投資の本質、株式投資の楽しさを啓蒙している。

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