【特集】“大台割れ”東京市場で「先高シグナル」を灯した銘柄は <株探トップ特集>
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―不透明感に打ち勝つ25・75日ゴールデンクロス接近の低PER株リストアップ―
週明け27日の東京株式市場は、医療保険制度改革法(オバマケア)代替法案の撤回により、トランプ政権の政策遂行に対する不透明感が広がったことに加え、一時1ドル=110円台前半まで円高・ドル安が進行したことを嫌気して、日経平均株価は心理的なフシ目の1万9000円台を割り込んだ。こうしたなか、株価の先高シグナルとされる25日・75日の両移動平均線によるゴールデンクロス(GC)が接近している銘柄に注目した。
●五洋建設の18年3月期は大型案件工事が再開へ
五洋建設 <1893> は2月10日、17年3月期の連結業績予想について、経常利益を205億円から215億円(前期比10.8%増)へ、純利益を115億円から130億円(同66.6%増)へそれぞれ上方修正した。国内土木および海外の完工高の減少などで売上高は5180億円から5000億円(同1.7%増)へ下方修正したものの、国内建築の採算改善などが利益を押し上げるとしている。18年3月期は、16年5月に発覚した同業大手の不良工事や、沖縄県の政治情勢の影響などで一時中断していた大型案件の工事が再開する見通しで、空港・港湾補修工事などを含め、海上土木事業のシェア上昇なども見込まれる。
●芙蓉総合リースは太陽光発電所の商用運転を開始
芙蓉総合リース <8424> は17年3月期の連結業績を、売上高5100億円(前期比3.3%増)、経常利益320億円(同9.6%増)、純利益195億円(同11.7%増)を見込んでいる。18年3月期は、TOB(株式公開買い付け)の実施でアクリーティブ <8423> を連結子会社化したことから、業績が通期で寄与することになる。芙蓉総合リースは2月16日、伊藤忠商事 <8001> とエネワンソーラーとの共同事業である新岡山太陽光発電所の商用運転を開始したと発表した。この太陽光発電所の発電出力は約3万7000キロワット。年間予想発電量は約4300万キロワット時で、一般家庭の年間消費電力量に置き換えると、約7600世帯分に相当する。
●ブロンコビリーは「20年に200店舗」実現に向け積極出店
ブロンコビリー <3091> は1月17日、17年12月期の単独業績予想を発表。売上高205億円(前期比13.8%増)、経常利益31億5000万円(同12.2%増)、純利益22億円(同16.8%増)を見込んでいる。「デジタルサイネージ」や「ジェラートバー」などを設置し、店内で食事の楽しさの演出を強化するほか、インターネットを活用した販促企画の拡充で来店客数の向上を図る。また、「2020年に200店舗」の実現に向けて積極的な出店とエリアを拡大していく。
●関電工は20年3月期営業利益330億円目指す中計を発表
関電工 <1942> は13日、2020年3月期を最終年度とする中期経営計画を発表した。最終年度の連結業績を、売上高6000億円(17年3月期予想4900億円)、営業利益330億円(同250億円)と想定している。今後見込まれる東京オリンピック・パラリンピック開催に向けたインフラ整備や大規模再開発をはじめとする旺盛な建設需要に加え、資本ストックの増大やエネルギーシステム改革などの環境変化を背景に、さらなる事業領域の拡大を目指す。また、新たなビジネスモデルの構築、事業領域の拡大として(1)業種・エリアを越えたネットワーク系社会インフラ工事獲得に向けた営業体制の強化、(2)無電柱化工事の受注拡大、(3)域外電力インフラ工事への事業展開、(4)再生可能エネルギー発電事業・不動産事業の推進――を掲げている。
◆主な25日・75日線GC接近の好業績、低PER銘柄◆
銘柄 <コード> 経常増益率 株価 PER
五洋建 <1893> 10.8 552 12.1
関電工 <1942> 49.3 1022 13.0
九電工 <1959> 13.2 3100 10.3
太平電業 <1968> 5.6 1109 10.3
ブロンコビリー <3091> 12.2 2923 20.0
オープンハウス <3288> 16.6 2738 6.9
三菱総研 <3636> 14.0 3265 13.7
コジマ <7513> 40.0 296 16.5
日本ライフL <7575> 94.0 2126 17.2
パラマウントHD <7817> 11.9 4575 16.8
兼松 <8020> 10.4 197 8.3
ベスト電器 <8175> 42.9 145 6.4
芙蓉総合リース <8424> 9.6 5140 8.0
※株価は27日終値、単位:%、円、倍
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