【特集】雨宮京子が斬る!酉年「有望株!」 【お年玉企画】 <新春特別企画>
雨宮京子氏(経済ジャーナリスト)
「米国主導で上昇相場継続も、銘柄選別が重要」
●ファンダメンタルズを見つめた投資を
振り返って2016年相場はいきなりの急落で始まり肝を冷やしたが、17年も目先的には波乱要素を内包しており、その点は注意が肝要となろう。16年11~12月の相場は全体株価指数が水準を切り上げるなかで、それに連動して主力株の上げが目立った。しかし、足もとトランプノミクスを主軸とする相場には買い疲れ感が生じており、1月はどちらかといえば中小型株が選好されやすいとみている。
1月20日のトランプ新大統領就任までは、直近IPO銘柄の回転売買や東証1、2部の小型株、もしくは新興市場銘柄を中心に目を向けておきたい。また、相場のセンチメントを左右する為替の動向には常に気を配る必要がある。特に1月20日にかけて仕掛け的なドル売り円買いの動きが出る可能性があり用心しておきたい。
日本株は基本強気で見ているが、「トランプ相場」と称されるように、米国株市場主導の上昇相場であるということを忘れてはならない。したがって仮に米国株がバランスを崩せば、日本株はそれ以上に下方圧力が働きやすい。米国株が強い動きを続けているからこそ、リスク許容度の高まった外国人投資家が「日本買い」に動くわけであり、その構図は来年も不変であると考えている。
来年前半の相場シナリオとしては、NYダウは2万ドルを通過点とする上昇相場、これに追随する形で日経平均は2万円台復帰から一段の上値を指向するイメージを描いている。ただ、トランプ新大統領の手腕は未知数であり、16年11~12月の上昇相場はあくまで理想買いの初動であった。財政政策が発動されるのは17年10月以降の予算年度からであり、現実買いの段階はまだまだ先であるということは認識しておきたい。
基本観として持ちたいのは業績面や財務面でしっかりした企業に投資するという姿勢。全体相場の動きも重要だが、個別株に投資するのであれば基本に立ち返って、当該企業のファンダメンタルズを見つめた投資を心掛けたい。
●内需インフラ関連とAIや再生医療などのテーマ買い
個別には、安倍政権が打ち出した総額28兆円規模の経済対策を受け建設インフラ関連としてピーエス三菱 <1871> 、川岸工業 <5921> [東証2]、丸藤シートパイル <8046> [東証2]などに注目したい。
また、人工知能(AI)関連としてはサイジニア <6031> [東証M]やシグマクシス <6088> [東証M]などに穴株妙味がある。半導体関連ではテラプローブ <6627> [東証M]に注目。業態の構造改革を進めM&Aを活用して再生医療分野を開拓する富士フイルムホールディングス <4901> や、グループ企業の売却など“選択と集中”を進める日立製作所 <6501> もマークしたい。
このほか、海運市況の底入れと業界再編の思惑で商船三井 <9104> にも注目。最後に、逆張り対象としてはZMP <7316> 上場延期で売り込まれたフューチャーベンチャーキャピタル <8462> [JQ]などが拾い場とみている。
◆雨宮氏のお薦め「2017年ポートフォリオ10銘柄」
ピーエス三菱 <1871>
川岸工業 <5921> [東証2]
丸藤シートパイル <8046> [東証2]
サイジニア <6031> [東証M]
シグマクシス <6088> [東証M]
テラプローブ <6627> [東証M]
富士フイルムホールディングス <4901>
日立製作所 <6501>
商船三井 <9104>
フューチャーベンチャーキャピタル <8462> [JQ]
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