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【特集】高岡隆一の【2017年のポイントとヒント】 「波乱を想定、為替が鍵を握る2017年」 <新春特別企画>

高岡隆一 (株式評論家)

●「円安→日本株買い」は続くのか?

 2016年は「株高+円安」で終わろうとしているが、2017年は上にも下にも大きく動く、非常に難しい年になると予想している。

 日本株の上昇の要因の一つに意外に堅調な業績がある。

 1ドル=100円まで円高が進んだ2016年の6月から9月、この時期は3月期決算企業の第2四半期にあたっており円高による収益悪化が危惧された。ところが、第2四半期決算発表が進むにつれて「意外に悪くない」、このような認識が広がっていく。そこにトランプ氏の大統領選勝利というサプライズが起爆剤となった。

 積極的なインフラ投資や大型減税、さらには規制緩和。多くの投資家は米国経済の活性化に期待し、ドルも株も買われた。この波に乗ったのが日本株である。円安は日本株買いをもたらす。

 こうして円安が進めば進むほど日本株に買いが入ったのが、2016年暮れの景色である。

 では、この流れは2017年も続くのだろうか。これは誰にも判らない。知っているのはトランプ氏だけだ。

●トランプ・リスクを織り込みへ

 もともと大統領選挙ではドル高反対がトランプ氏のスタンスであったはずだ。この持論を今は封印しているが、いつ封印を解くのか、ここが大きな問題なのだ。

 彼の支持者には地方のブルーカラーが沢山いる。その彼らは中国やメキシコなど安い賃金の労働力に米国の職が奪われたと思っている。米国が奪われた職を諸外国から取り戻すには、絶対にドル安が必要となる。それがいつ現実のモノとなるのか。この変化が為替の天井も株の天井も決めると考え、円高に変化し始めたならすぐに利食い・現金化する。これが2017年の「キーワード」だ。

 今はトランプ氏がもたらすプラス面だけを織り込み、リスクは無視している相場となっている。2016年はそれで良かったと思うが、2017年はリスク面が浮上し、相場はそれを織り込んで上下動を大きくするだろう。

 円安が続く間は強気でよいと思う。ただ、2016年と2017年は「申酉騒ぐ」、こうした格言の年にあたる。2016年は忙しい年だったが、2017年もそうなるのか。それは上に忙しいのか、下に忙しいのか。波乱を想定し、2017年を上手に乗り切っていただきたい。

2016年12月19日 記

情報提供:高岡隆一の株価天気予報


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