【特集】植木靖男が斬る!酉年「有望株!」 【お年玉企画】 <新春特別企画>
株式評論家 植木靖男
「上昇基調続くが、1-3月に調整場面も」
●トランプ米国は景気拡大へ
株価は2016年年末に向けて高値もみ合いが続いた。ということは引き続き買い手有利の展開が続いていることの証ともとれる。これまで冷や冷やさせられることもあったが、本稿の執筆時点ではいまだ売りシグナルが出現していない。こうした経緯のうえで2017年の株価はどう展開するとみればよいのか。
大枠でいえば、誰しも新年はトランプ氏次第という。次第ということは市場的にいえば、強弱感が分かれているということになる。
確かに、トランプ政策が、巨額の財政、つまりインフラ投資と大幅減税、それに規制緩和であるならば、景気拡大を疑う余地はなさそうだ。
だが、その実現性に首を傾げる向きも多い。安全保障分野はともかく、経済分野は議会を通すことが多く、すべてが議会を通るとは思えないからだ。
しかし、政治の世界は、そのときの“風”が大事。現実に市場がそれを大きく評価しているとすれば、結局通ることになる。
だとすれば、17年はもちろん中間選挙のある2年目までは、将来、財政赤字・金利急騰という懸念をはらみながらも米国景気は拡大を続けることになろう。
●本命テーマはインフラ関連
こうした米国景気拡大を睨みながら、日本株はどう動くのか。先進国の中では唯一、わが国は金融緩和策を継続する。このため日米金利差は拡大し、円安が進む。企業収益は成長を続ける。結果として、17年はもとより18年も同じような上昇基調が持続することになろう。どこまで上昇するかは17年年末の値動きによる。
経験則からいえば、今回の6月からの上昇は、ちょうど、09年3月のリーマン・ショック後の安値からの立ち直りに酷似しているようにみえる。当時は09年3月7054円を安値に8月まで上昇、その後11月まで3ヵ月調整をみせている。
今回も同じとすると、仮に年末まで高値もみ合いが続くとすれば、いくらなんでも新年1月からは3ヵ月ほど調整期間があってもおかしくなさそうだ。2017年内の安値はその辺りになるのではないか。
さて、新年の有望株は何か。テーマの本命は インフラ関連であるが、この他わが国経済の将来を考慮すると、航空宇宙や医療、それに円安に伴うハイテク輸出関連などであろう。
具体的には、IHI <7013> 、富士フイルムホールディングス <4901> 、清水建設 <1803> 、ソフトバンクグループ <9984> 、三菱UFJフィナンシャル・グループ <8306> 、りそなホールディングス <8308> 、エムスリー <2413> 、JCRファーマ <4552> 、コマツ <6301> 、野村ホールディングス <8604> などに注目したい。
◆植木氏のお薦め「2017年ポートフォリオ10銘柄」
IHI <7013>
富士フイルムホールディングス <4901>
清水建設 <1803>
ソフトバンクグループ <9984>
三菱UFJフィナンシャル・グループ <8306>
りそなホールディングス <8308>
エムスリー <2413>
JCRファーマ <4552>
コマツ <6301>
野村ホールディングス <8604>
2016年12月28日 記
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